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32FES参戦記 決勝編

32FES観戦記、決勝編です。

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と言いつつも全然関係ないんですが、最近気づいたんですけどもベビースターラーメンも今年60周年らしいです。ミニと同い歳ですねw
何となく好きでついつい買ってしまう原因はそこにあったのか!←

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32FES二日目、決勝の朝です。

下界とは比べられないくらい涼しくて空気が気持ちいいです。覚悟していたほど湿気も酷くないし今年はアタリでしたね。

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昨夜焼肉を食べ過ぎて重いお腹も忘れる静謐さですw

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パドックをウロウロしていたらFBのお友達のIさんに声をかけて頂きました。ブログ村のお仲間の片岡屋さんからエントリーしているマシンで、関西で1000Tクラスのチャンピオンとのことです。うわー、バトルしてーよー涙

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「ボディのボロさでは赤ミニ君にも勝てますよ」という謎の挑戦を受けて取材して参りましたw

確かに歴戦の勇者っぽいですw 錆びて穴の開いている箇所もチラホラ。

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しかしステアリングはピカピカの335F!

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しかもシリアルナンバーはゼッケンと同じ「19番」です。

スクイさんの心遣いを受けたお仲間が遠い関西の空の下に居ましたよ!w

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そんな出会いがあったので決勝も応援させて頂いたのですが、関東勢のタートル軍団を抑えて見事にポールtoウィン。しかも1位から3位まで写真の1視野に収まる範囲での大激戦でした。

見応えありました・・・そしてミニ1000に戻りたいという気持ちもちょっとだけ感じたりしたのでしたw

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MRRC軍団のフラッグシップ、70号車も決勝直前の土壇場ギリギリで調整を加えてます。

まずはカブリ気味の燃調を調整し、

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お次はフロントカウルを外して・・・、

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ひょっとしてフライホイール外してませんか?w

富士のストレートに合わせて減速比を変更するべく、なんとドロップギアを交換してました。

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そして始まるインジェクションクラス決勝。MRRC25番のS藤さんの出番です。

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予選5番手からのスタートです。

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その後方ではキャメルの曽根さんがデッドヒート中。

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広い富士のコースでこれだけ密集するデッドヒートも珍しいです。見応えありました。

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MRRC88番、MCZさんのデッドヒート。サイドバイサイドの加速勝負ですね。

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S藤さんは途中で水温が上がってしまってペースが落ち、6位でゴールです。2年後に向けた課題は冷却とファイナルの選択でしょうか。

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曽根さん、ふなっしーさん、MCZさんも最後までバトルし続けてゴール。

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お疲れ様でした!

新しいピストンが気になってたのですが、富士で大丈夫ならまー大抵大丈夫でしょうw

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モトファイブ/オープンクラス決勝です。

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MRRC70番、T橋さんの出撃です。

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CCOさんのマシンは予選前のフリー走行でバルブが折れるというトラブルが発生し、予選が走れなかったためピットスタートでの決勝になります。一度名古屋に持ち帰って修理してきたそうですよ・・・こちらもスゴイ行動力ですw

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T橋さんはモトファイブクラス首位、総合5位のポジションからのスタートでしたが、ガンガン上のポジションを狙ってくれてます。

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ダンゴになったまま1コーナーに突っ込んでいきます。いいなー。

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ポジションを上げて帰ってきました。期待に応えてくれますw

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結局総合2位でゴールしたのですが、首位のマシンがスタートでフライングだったようで繰り上げで首位に! 快挙ですw

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マシンから降りたところでレッドブルのお姉さんにドリンクを渡してもらったのですが、撮影の瞬間に遮られて写らずw

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神奈川エリアの応援団に迎えられてます。やり切った良い笑顔です。

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その頃私はMCZさんを見つけてレッドブルのお姉さんと写真を撮ったり、

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ついでに自分も取ってもらったりw

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昼食でまた肉串を食べたり。肉串は僕的には2本が最低単位ですね。

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モトクラス決勝です。

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51番さん。

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ライバルの19番さん。

富士対策でしょうか、空気抵抗低減のためにリアスポイラーを外してましたが、コースの半分で雨が降ってたのでコントロールが難しかったのではないかと思います。

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ポールtoウィンで51番さんが優勝!

インテーク内部にちっちゃいライトがありますね・・・一体どこまで抽斗があるんだろうかw

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2位は19番さん。

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決勝終わってピット前に整列するミニ達。

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70号車は海外からのお客さんにも大人気です。

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記念撮影です。この中に入りたかったなー・・・次回は是非そうありたいものです。

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1000Tクラス表彰。今年はポディウムでの表彰でした。やっぱり富士はコレですよねw

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関東勢の攻撃を両側から浴びる関西の雄・・・お約束ですからねw

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いいぞもっとやれw

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おめでとうございました!

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モトファイブクラス優勝のT橋さん。CCOさんがしっかり3位に入ってますね!

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シャンパンファイトは期待通り、

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これまた派手にぶちかましてくれましたw

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おめでとうございます!

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そして日本一決定戦の表彰です。

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期待に応えてくれますw

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おめでとうございます!

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レースが終わってパレードランの始まりです。広い富士のコースがミニで埋め尽くされていくのはなかなかに壮観でした。

2年後にはここに立てるよう、精進します。



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32FES参戦記 予選編

32FES参戦記その2、既に参戦記ではなくて観戦記なのが悲しいみくた52歳です。

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8/24の土曜日は朝4:30にホテルの駐車場に集合し、富士スピードウェイに向かいました。

緑ミニは昨夜からローダーに載せたまま、本日はサーキットのピットまで運びます。運搬担当は僕!・・・いやあ、ローダー運転するのって実は初めてで、御殿場の街中で内輪差に慣れるまで冷や冷やしながら運転しました。

眠気も覚めますね!←

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ピットに並んだSV軍団! ただし1台は不動車ですw

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SV神奈川支部のお仲間です。レースのサポートで集まってくれました。

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不動車にもかかわらず皆さんで綺麗にして頂きました。

ありがとうございました!僕も緑ミニも幸せ者です。

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同じピットには名古屋から参戦のCCOさんが! 僕もお世話になったことがあるマニアックな、いや作業にこだわりのあるミニ屋さんですw

モトファイブクラスに参戦とのことで、つまりMRRC70番のT橋さんのライバルですね。お店対決、楽しみですw

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キャメル劇団の曽根さん発見! 打ち合いでまずは一勝w

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ハゲマル団長発見! 続いて第二勝w

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MCZさん発見! これで三勝目!と連射していたところ、

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熊野神宮のお土産で「勝盛」のお守りを頂きました。

ありがとうございます!大切にさせて頂きます。これで昨年から続く悪いサイクルを断ち切れるといいなあ。

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勝ち負け以前に意味の分からないI川さん。「ウッホウッホ」とか「出せー」とか遊んでましたw

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ピットへの帰り道で朝飯です。

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ステーキ串とりあえず2本! ハラミかな? 塩強めでしたが柔らかくて美味しかったです。

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英国から来日されたOwensさんと記念撮影です。

オイルまみれの手で握手を遠慮したP師に「何言ってんだ兄弟!」てな感じで手を取り力強く握手してくれた姿が印象的なナイスガイでした。

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ワンモアプリーズでT橋さんとも一緒に。

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モトファイブクラス予選スタートです。

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MRRC70番のT橋さん。

燃調が合ってなくてカブり気味だったりファイナルが合ってなくてストレートで吹けきってしまったりで、調子はイマイチでした。それでもクラス首位、オープンクラスと合わせても5番手のタイムは流石でした。

問題点も明日までに何とかしてしまうんですけれどもw

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インジェクションクラスの予選です。

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MRRC25番のS藤さん。

実はヘッドが間に合わず緑ミニの5ポートヘッドを流用してます。ヘッドだけは32FES参戦できたかな!←

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曽根さん。

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MRRC88番、MCZさん。

コースが広すぎて走りあぐねているようでした。コース幅をもう少し有効に使えるようになればもっと速くなることでしょう。

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予選終了後のS藤さんミニ。アクセルペダルが上を向いてしまうというトラブルが発生していたようです。超高速サーキットでこれは怖いですね汗

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ピット2Fではいろんな車両が展示されてましたが、その中の1台がSVのレースカー(ただし作製中w)です。今回訪日したOwensさんが作製し、三和トレーディングさんが輸入したシャシーがベースになってます。

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展示スペースの一角を間借りしてSVで開発中のパーツを展示させて頂きました。

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MRRC70号車が装着しているツインインジェクター仕様のスロットルボディもあります。

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話は変わって、全参加車両中でも最高速を誇る51号車。この日も絶好調でしたが、

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その秘密に迫ってみましたw

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直前まで秘密にされていた対富士用の秘密兵器! この特徴的なフロントマスクです。

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どこかで見たことがあると思ったらTSサニー用のパーツとのことです。左右の寸法を詰めて流用したとのことですが、空気抵抗の影響が大きくなるメインストレートでの効果は絶大だったようです。

フロントスポイラーの左右の穴はブレーキ冷却用ですが、その上にもインテークが追加されてます。このインテーク、アクリル板を加熱しながら型押しして作製した手作り品とのことですが、

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スロットル周りにフレッシュエアーを集めるためのインテークでした。これだけで最高速領域のセッティングが全然違ってくるそうです。

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機械式のウォーターポンプを廃して電動のポンプが組まれてますが、

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なんとツインポンプになってました。

冷却水量を常に維持する狙いに対してウォーターポンプの電動化は極めて有効です。その一方でリスクとしてはモーターのトラブルによる突然の停止があるのですが、ツイン化することでそのリスクを軽減することができます。

また、水温85℃までは1基を、85℃以上で2基目が作動するように制御しているとのことで、水温によって適切な流量に制御できるだけでなく、モーターの負荷も分散させることによって長寿命化も期待できるという、よく考えられたシステムになってました。

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リアスポイラーは筑波仕様よりもフラットな形状のものが低い位置に取り付けられてました。

棒の先にリボンを取り付けたフローインジケーターを使って、ボディに風を当てながらルーフ後端のエアーが乱れない取り付け位置を探った結果とのことです。そうすることによってリアスポイラーへのエアフローが乱れなくなっただけでなく、ルーフ後端に生じる渦流も減ったとのことで・・・、そこは車体のドラッグに大きく影響する部分なので、そりゃあ空気抵抗減っただろうなあと。

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フローインジケーターを使った解析はフロントマスク周辺やオーバーフェンダーの角度にも反映されているそうです。
スゴイですよね、そこまでやるか!という取り組みっぷりです。

最高速は出力と空気抵抗の釣り合うポイントで決まりますから、ライバルに対して出力が拮抗しているならば空気抵抗を減らせた方が勝ちます。シンプルな物理ですが、ここまで徹底的にやりきるのは並の根性では出来ないと思うんですよね。スゴイなあと思います。

ですが、僕がそれ以上に感動した仕組みがあるのですよ。
スロットル用のインテークの上にある細長いパーツ・・・これって何の意味があるんですか?とヨシヨシさんに質問したところ、



こちらをチラッと見て隠れるヨシヨシさんがプリティーですw、ではなくて、
なんと!ウィンカーでしたw

エンジン、シャシー、脚回り、そして空力まで全て徹底的に取り組みつつ、こういった「遊び心」まで手を抜かないというその心の余裕に脱帽です。SVのP師に今足りないのはこういう余裕なんだろうなあと痛感しました。

会社辞めてSVで雇ってもらえないかな・・・経理と時間マネジメントと開発と遊び心担当でw

続きます!


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32FES参戦記 緑ミニのトラブル編

遅ればせながら32FES参戦記その1です。暗い話ですので、楽しいレポートを期待している方にはゴメンナサイです。

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32FES前日の8/23金曜日は会社を休んで準備に充てました。

午前中に三郷まで電車で移動し、緑ミニに雨降り対策やら暑さ対策を施し、P師からセッティング状況を聞いた上で富士に向けて出発です。

セッティング状況はかなり厳しくて、SVでは32FESに向けて3台の整備+32FES展示用のOwensボディ作製を同時進行していたそうで、そのため緑ミニのエンジンに火が入ったのが水曜日の夜中、とりあえず街中と高速を走れるだけの最低限のセットアップが出来たのが木曜日の夜という追い詰められた状況でした。そのため富士までの道中でアクセル開度大の領域を僕自身がセットアップしながら行くことになりました。

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首都高の渋滞を約2時間かけて抜け、海老名SAで一休みしてからようやくセットアップ始めようかなという大井松田IC手前のあたりでエンジンが不調になりました。

症状はパタパタした吸気の異音とトルクダウンで、経験的にはバルブが開いてないかあるいは閉じてない時の症状です。

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先に富士入りしていた白い天使さんことT橋さんとS藤さんにローダーで迎えに来て頂いてとりあえず富士に向かいました。このタイミングでSVに戻ってもP師居ませんし対応も出来ないですからね。何よりまたあの渋滞を抜ける気力がどうしても無かったというのもありますが。

T橋さんとS藤さんはOwensボディの搬入のために待機してくれていたのですが、おかげで助かりました。てっきりもうビール飲んでるかと思ってましたので・・・救助ありがとうございました!

しかし、僕の32FESはここで終了です。昨年から数えて5回連続のリタイヤ、しかも今回はエンジンの仕様も完全に変えての再チャレンジで時間もお金もかけて準備してきたのですが、にもかかわらずレース前の慣らし運転段階でリタイヤです。かなり心折れました。
この後は0次会としてT橋さんの部屋で飲んだくれさせて頂きました。T橋さんS藤さん、ビールごちそうさまでした。そしておつきあい頂きましてありがとうございました。

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不調の原因はヘッドにオイルが回っていなかったことによるロッカーアームの焼き付きでした。アーム周辺が完全に乾いていて、アルミ製のアームが削れて出来た粉が大量に発生しています。

ここから先は32FES終了後にヘッドを開けてからの診断結果になります。

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ロッカーアームをひっくり返してポストの座面から見た図です。8番のロッカーアームのボールジョイントが激しく削れているのが見て取れます。

ロッカーアームポストの、棒で示している部分の穴にヘッドからオイルが供給され、ここから先で中空のシャフト内部を経由して各アームにオイルが供給される仕組みになってます。とりあえずここにはオイルは来ていませんでした。というわけでより上流に原因はあるわけですが、

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ヘッドを外してヘッドガスケットを見たところで原因判明です。ガスケット上にこびり付いている白い紐状のものはシール剤ですが、こいつがオイル経路を塞いでくれてました。

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ヘッドガスケットと対になるヘッド側を見た図です。

8ポートヘッドはヘッド内部のポートの取り回しが5ポートヘッドとは違うために、5ポートヘッドのような貫通穴によるオイル経路が形成できません。そのため、ヘッドとブロックの合わせ面にこのように横方向の溝を掘ってオイル経路を確保してます。その先はスタッドボルト穴を使ってヘッド上面のロッカーポストまでオイルを届けるという驚きの構造だったりします。

その溝にシール剤が流れ込んで固まった結果、オイルが流れなくなってしまったわけですね。

そもそも何故シール剤なんて使う必要があったんだっけ?というと理由はあって、8ポートヘッドを載せる際にはプッシュロッドとブロックが干渉しないようにブロック側のプッシュロッド穴を拡大してやる必要があります。そしてその穴の大きさに合わせてヘッドガスケットに開いている穴も拡大しなければならないのですが、そうするとせっかくヘッドガスケットに形成されている穴周辺のビードを削ることになるんですよね。

ヘッドガスケット面には冷却水の穴も開いてますので、例えばオーバーヒート寸前で内圧が大きくなった際にこのビードを削った部分からプッシュロッド穴に冷却水が抜けると嫌だなあとP師は心配してくれたのですよ、そして良かれと思って念のために・・・、

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プッシュロッド穴周辺にシール剤を塗布してくれたのでした。・・・作業途中の写真残っていたそうです。本人は完全に忘れていたそうですが汗

この写真だけ見ると冷却水漏れの心配に対して適切かつ完璧に対処しているように見えますが、この上に載るヘッドに掘られているオイル溝ってこの塗布したシール剤を完全にまたいでいるんですよね。まして相手は面研して平滑度の高くなったヘッド面ですから、それに押されれればシールは限りなく広がるか流れやすいところに流れていくはずで、つまりオイル溝をまたぐ部分以外のシール剤もかなりの部分が流動してオイル溝に流れ込んだのでしょう。オイル溝が詰まったのは当然の結果だったのかと。

ガスケットにシール剤を使うとオイル溝を塞ぐリスクがあることは赤ミニ時代に経験していて(こちら)、僕もP師も知っていたはずなんですよね。にもかかわらず目の前の心配点を優先してやってしまったということは、それだけ時間に追われていて、また睡眠不足で判断力が低下していたのではないかと想像してます。

シール剤を塗る前に一息ついていたならば以前そういうトラブルがあったことを思い出せたかもしれない。
あるいは一歩引いて周りを見てみれば対面にオイル溝があることに気づけたかもしれない。
撮影した写真を僕に送る余裕があればそれを見た僕が気づけたかもしれない。
エンジンに火が入ってから余裕があればヘッドにオイルが回っているか確認できたかもしれない。
・・・等々、最悪の状況に行ってしまう前に気づけるチャンスはあったはずなんですが、余裕の無さがそれらを全て吹っ飛ばしてしまったのかと。

2年に一度のお祭りですから参加して走りたい気持ちはもちろんありました。その一方で、Owensボディを展示するとか緑ミニ以外にもエンジンから作り直す車両があるという話も聞いてましたので、現実的に無理じゃないかなとも心配してまして、無理だったら断ってもいいよと伝えてはおりました。でもP師は僕の気持ちを察して受けてくれちゃったんですよね、それが完全に裏目に、しかも最悪の形で出てしまったなあと反省してます。

僕自身の仕事も同じなのですが、納期を守るのも大事、性能を確保するのも大事なんですが、それより優先しなければならないなのが耐久信頼性の確保です。止まって走れなくなるほど商品として最悪なことはないんですよね。

会社ならば仕事の量が多くて回らないならば人を確保してその仕事に充てれば良いだけなんですが、一人で運営しているSVの場合はP師自身が仕事を受けるか受けないか、どこまでやれるかを考える必要があり、そしてそれを考えられるだけの時間的余裕が無ければなりませんし、時には断る判断もしなけらばなりません。せっかく丁寧に作業してもワンミスで壊してしまったらそれにかけた時間そのものがもったいないですからね、余裕を持って確実に作業できるように仕事のスタイルを見直す機会ではないかとも思ったのでした。

あぁ・・・32FESレポートのはずがいきなり重い話になってしまいましたが、僕的には避けては通れない話だったので気合いを入れて書かせて頂きました。次は明るい話をお伝えできるはずです!←


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エンジン不調の原因と対策 その3

エンジン不調の苦悩編その3、トラブル紹介、パワーが出ない原因の解析と続いて、今回は今後のエンジン仕様についてご紹介です。

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先回ご紹介した排気量と最高速との関係の図です。

緑のプロットがミニ1000クラス、橙色のプロットがインジェクションクラス、赤および黒のプロットがSBoM、モトおよびシルエットクラスで、黒色のプロットがロングストローク仕様、白抜きのプロットがマルチポート仕様です。

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グラフの縦軸を最高速から出力に換算してます。
出力を馬力で書くと生々しすぎるのでw、MRRC70号車を基準(1.0)として相対的に示しました。

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更に、縦軸の出力を排気量で規格化して排気量あたりの出力としました。
一つ前のグラフと同じくMRRC70号車を基準にして相対的に示してます。

今は亡き赤ミニ・・・相当にイケていたことがよく分かります(涙)。そして緑ミニは相当イケてないですね(号泣)。

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各仕様の群の中で一番上に来るプロットが、それぞれの仕様の中で最も効率よくパワーを出している車と言うことになるわけですが、マルチポート仕様では赤ミニ、そして5ポート仕様ではMRRC70号車になります。

うん、我らがP師、頑張ってますね。

奇をてらったことは一切せず基本に忠実に・・・、段差を徹底的に取り除いてスムージングした吸排気系、表面を研磨して軽量化および重量合わせしたムービングパーツ、最適化された各パーツのクリアランス、そしてそれらを丁寧に組む基本技術、というあたり前の作業の積み重ねでしかないのですが、例えオーナーが気づかなくても物理の神さまはちゃんと見ていて結果に反映してくれてます。数字は嘘をつかないですからね。

こんな真面目なメカニックが味方になってくれていて本当に幸せですよ、まあ、緑ミニではちょっとやらかしてくれましたがw・・・悪い結果も一つの糧としましょう。

スライド13

排気量あたりの出力のグラフでベストな効率のラインが分かりましたので、そのラインをそのまま換算して縦軸速度のグラフに戻すとこんな感じのラインになります。

各排気量で、5ポートおよびマルチポートのそれぞれで最高速をここまでは伸ばすことが出来得るという目標線ですね。
例えば1,380ccで5ポートならば156km/hr、マルチポートならば164km/hrになります。1,460ccではマルチポートならば169km/hrですが、5ポートだとこのラインよりも下に限界が来る見込みです。理由は先回ご紹介した通りで、ロングストロークに5ポートヘッドの組み合わせでは吸気ポートがボトルネックになりトルクが低下するためです。

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緑ミニを改良するとして、現状のロングストローク仕様のまま手を打つならば、ノーマルハイトのピストンを使って5ポートのまま160km/hr弱を目指すという(A)のアプローチか、そこから更にマルチポート化して169km/hrを目指す(B)のアプローチが選べます。

もう一つの選択肢としては、ミニ1000時代に身につけたノウハウを活かしてマルチポートのまま排気量アップするという(C)のアプローチというか考え方もあります。

どうするか悩んだのですが、今回1,440ccチューニングを無防備に進めて痛い目に遭ったこともあり、これまでの経験を活かせる(C)のアプローチで進めることにしようと思います。

排気量は1,380ccで行きます。

MRRC70号車で基本的な実績と経験があるのが一つの大きな理由です。
また、ロングストローク仕様では仮にノーマルハイトピストンを使ったとしてもある程度のピストンの首振りとその結果としての寿命低下は避けられない気がしてまして、それを避けつつロバストな構成で余裕のある状態で効率アップしていきたいという思いがあり、ノーマルストロークのクランクシャフトを用いた1,380ccを選びました。

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SVにて。32FESに向けて突貫で作業が進められてます。

例のスタンドが活躍している模様w

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既にエンジンは組み上がって搭載まで完了。

えっと、組む途中の写真がもらえてないのですが・・・P師忙しそうだし無理言えませんね。

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FIAボディに電子制御のマルチポート・・・いや〜邪道ですねw 
全くもって素晴らしい。自分とSVらしくて気に入ってます。

正道のFIA仕様といえば12Fブロックを用いた1,293ccとなりますが、それはもう少し先、老後の楽しみに取っておきます。


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エンジン不調の原因と対策 その2

エンジン不調の苦悩編、続きです。前回は起きたトラブル順に紹介しましたが、今回はもう少し俯瞰して眺めてみます。

最初にちょっと振り返りになりますが。

赤ミニでは1,000ccエンジンでロスをギリギリまで削って出力アップを重ねてきました。それはそれで楽しかったのですが、それでも排気量の差には勝てないという思いがありました。特にTBCCのように排気量の異なる車両で混走するような場合は厳しくて、どうしても無理してしまってクラッシュまで至ってしまったという反省があります。

そんな背景から、緑ミニのエンジン仕様を決める際に第一に考えたのはエンジンの排気量アップでした。その他は平均的な仕様でそこそこ楽に走れる状態をまずは作って、そこから段階的にロスを削っていこう、というチューニングシナリオを考えておりました。

エンジン仕様は、86mmロングストローク+73mmピストンの組み合わせで排気量1,440cc、ヘッドは一般的な5ポートながら効率を優先してビッグバルブのオフセット仕様とし、カムシャフトはレースで実績があるとされるパイパーの649を選びました。

排気量なりに期待したトルクは14kg・mで、そこから想定できる最高出力としては140PS程度、悪くても130PS台後半を期待していたのですが、シャシダイで測定した結果はトルクが13.1kg・m、最高出力が117PSという期待をかなり下回る値でした。筑波のバックストレートでの最高速は107PSだった赤ミニを下回る結果でしたので、実際には100PSそこそこしか出ていないのが現実かと思います。

そもそも楽するために排気量アップしたはずなのに、なぜこんなにパワーが出ないのか?

まずは緑ミニの現状の立ち位置を明確にしてみました。

スライド1

2019年度SBoM第2戦のリザルトから、参戦している全車両の排気量とバックストレートでの最高速度を抽出してプロットしました。横軸が排気量、縦軸が最高速度です。緑のプロットがミニ1000クラス、橙色のプロットがインジェクションクラス、赤いプロットがSBoM、モトおよびシルエットクラスです。

全体を眺めると右肩上がりで、排気量が上がるに従って最高速が高くなるという傾向が現れてます。「排気量に勝るチューニング無し」は全体の傾向としてその通りになってます。

その他の特徴としては、インジェクションクラスは右肩上がりの傾向の中にはあるものの最高速度は他のクラスに比べて全体的に低めで、インジェクションエンジンが出力を出しにくい現状がデータとして見て取れます。

スライド2

ロングストローク仕様の車を黒で区別してみました。

一番右側の、大排気量の一群になります。

スライド3

更に、マルチポートの車を白抜きのプロットで区別してみました。

多少のバラツキはありますが各群の上位はマルチポート車であり、出力を出すにはマルチポート化は有利であることが分かります。

スライド4

で、緑ミニはココです。右端の群の一番下、ロングストローク車の中のビリっけつですよ(涙)。

対策するのに先んじてまず必要なのは冷徹かつ定量的な現状把握ですので、血の涙を流しながらグラフを眺めております。

ちなみに今は亡き赤ミニをプロットすると左上の位置に来ます。今思うとずいぶん優秀な子でした。クラス最強はもとより、今の緑ミニよりも上に居ます。

スライド5

5ポート仕様である緑ミニの解析をまずはしたいので、マルチポート車を削除して5ポート車だけにしてみました。

各群でもちろん上下にバラツキはあるのですが、各群の上端のプロット、つまり最高速度が高い車両に注目すると、おおよそ直線上に乗ってきます。ミニ1000クラスにこの傾向に乗らない車両がありますが、おそらく開示されている情報が違っているのではないかと想像してます。おそらく1300用のピストンと組合わせて1,200ccあたりの排気量になっているのではないかと。

話を戻しますが、この最高速が高い車両をつなぐラインは「現状で実現可能な最も高い最高速」のラインとなります。当然ロングストローク車の群もこのラインに届いて欲しいのですが、届いてないんですよね。ちょっと低めの所に固まってます。言い換えると、排気量なりに速くなって欲しいのに、速くなりきれてません。

たまたまこのレースで速い車両が居なかったのでしょうか? 
僕はそうは思えないのです。有り体に言うとロングストローク化で排気量アップした場合のトルクとその結果としてのパワーの伸び代は実は少ないのではないかと疑ってます。

スライド6

そんな疑いを検証するために手持ちのデータで解析してみました。上の図は緑ミニのパワーチェック結果です。

最大トルク13.1kg・m、最高出力117PSとなってますが、納得いかないんですよね〜・・・ではなくて。
パワーチェックのチャートは出力だけでなく他にも色々なデータが現れてます。

パワーチェックの手順としては4速までシフトアップし、低回転から8000rpmまでアクセル全開で加速させるわけですが、その過程で測定されるのが「計測出力」で、これがタイヤから路面に伝わる実際の出力になります。
また、8,000rpmまで加速した後でアクセル全閉で回転が落ちてくる過程も出力(この場合は抵抗)を測ってまして、このマイナス側の出力が「損失出力」で、エンジン内部から駆動系までのメカニカルな抵抗による出力ロスを表してます。
ここで「計測出力」に「損失出力」を足した値が「補正出力」で、エンジンが発生した出力を表し、補正出力を回転数で割って求めたのがトルクです。

今回は、チャートの中の「最大トルク」と「6,000rpmでの出力損失」に着目してデータを集めてみました。

僕自身は残念ながら1,000cc以外のチューニングデータはほとんど持ってませんので、排気量違いのパワー特性をネットで漁って集めました。猟場は主に某所沢秘密基地の工場長ブログです。

スライド7

チューニングの結果を議論する場合は、一般的には「補正出力」の中の最大出力に注目するのですが、最大出力はカムやヘッドの仕様で大きく変わるので横並びの比較がしにくいです。そこで今回は「最大トルク」に注目しました。

トルク特性もカムやヘッドの特性に影響を受けるのですが、最大トルクだけは、いわゆる「最高効率点」なので他の仕様の影響を受けにくく、極論すると適切な圧縮圧力にさえなっていれば排気量なりの値になります。経験的にはNAエンジンならば排気量1,000ccあたり10kg・m程度の値に落ち着きます。

某所沢秘密基地のブログを9年間分見直して←、圧縮圧力まで調整したと思えるデータを8点(5ポート車6点およびマルチポート車2点)抽出し、排気量に対して最大トルクをプロットしたのが左上の図になります。

限られたデータの中での解析となりますが、まずは5ポート車のプロット(青丸)に注目すると、おおよそ1,300ccまでは「排気量1,000ccあたり10kg・m」の直線に乗っているのですが、1,300ccを超えたあたりから寝てきてしまってます。

この挙動は、排気量の拡大に対してヘッド(おそらく吸気ポート)がボトルネックになってしまって、1,300ccを超えたあたりから十分に吸気しきれなくなり、圧縮圧力が上がらずトルクが低下しているのではないかと推測しています。高回転のために吸気時間が短くなる出力点ではなく、4,000〜6,000rpmの最大トルク点ですらボトルネックになってしまっていることから、排気量に対して吸気のキャパが根本的に足りなくなっているように思います。

この考察を裏付ける傍証ですが、マルチポート化するとこのトルクが寝てくる傾向は解消されます(白抜きの青丸)。ヘッドのポートがボトルネックになっている証拠ではないかと思いますし、ヘッドのボトルネックが大きくなる大排気量でこそマルチポート化の効果は大きいとも言えるかと思います。

1,300cc以上の排気量では吸気のボトルネックからトルクが低下することを説明しましたが、その一方で緑ミニの最大トルクはこの議論だけでは説明できないほど下に居ます。何か他にもロスに繋がる要因があることになります。
それを確認するための一つの指標として損失出力にも着目してまとめてみました。それが右上のグラフになります。

損失抵抗は排気量との相関はなさそうで、10kg・mあたりを中心に±4kg・m程度の範囲で分散しています。

緑ミニの損失出力は・・・、確かにこの中では最大ではありますが(汗)、それでも他に比べて圧倒的に大きいことはなく、出力の低さを説明しきれるほどではありません。とは言え、損失出力を緑ミニの14PSに対して7PSまで下げた車もありますから、エンジンの組み様によっては損失低減で7PS取り返せることを示しているわけで、チューニングする上で無視できない寄与ではあります。

スライド8

ここまでをまとめるとこんな感じになります。

トルク直線から低下した分の内訳として、「ヘッドのボトルネック」起因の低下と、それだけで説明できない「緑ミニ固有のロス」がある、と。

データから追えるのはこれが限界ですので、ここから先は現物を見て確認していきます。

IMG_7209m.jpg

レース4戦後にバラした際のエンジンの状態です。

ドレンの鉄粉は少々。

IMG_7259m.jpg

フライホイールのバランスが取れていないのではないかという懸念があったのですが、フライホイール、クランクシャフト共にバランスは問題なく、クランクの曲がりもありませんでした。

その結果でもあるのですが、最も負荷が掛かるリア側のメインジャーナルでもメタルの状態に問題なし。

IMG_7260m.jpg

センターも問題なし。

IMG_7261m.jpg

フロント側も問題なし。

というわけで、回転系のダイナミックバランスが取れていなかったという説は完全に棄却できました。

IMG_7220m.jpg

ピストンです。Supertech製のショートハイトピストンですが、

IMG_7221m.jpg

スカートが傷だらけになってます。特にスカートの端の部分は囓って斜めに削れてしまってます。

IMG_7255m.jpg

シリンダー側です。

光が反射してよく分かりませんが(汗)、クリアランスは10/100まで広がってしまってました。下道走行含めて走行距離は400km程度ですが、4回のレースではいずれも予選リタイヤしてますので全開にする機会はそれほど多くなかったにもかかわらずクリアランスの許容値を既に超えてしまいました。

シリンダーのどの部分が最もクリアランスが広がっているかをP師に探って頂いたところ、ブロック上端から45〜50mm下の車両前後側という結果になりました。

この位置は上死点にいるピストンのちょうどスカートの下端に相当する位置になります。この結果から、爆発行程でピストンが下がり始める時にまずピストンが傾いてシリンダーウォールに齧り付き、その状態で爆発圧を受けて下がるためにこの部分を削ったと推測します。一方、他の行程ではこの位置にピストンがあるときにはスピードがほとんどゼロですので削れないはずで、その理由からも爆発行程に絞り込めます。

いわゆる「ピストンの首振り」という現象です。ただし、一般的にはピストンの首振りは吸気、圧縮、排気といったクランクシャフトからの力でピストンが引きずり回される行程で激しくなり、爆発行程で爆発圧がピストントップに均等に掛かる状態ならばそれほど酷くはならないと聞いた覚えがあります。にもかかわらず、緑ミニの場合は一般的に影響が少ないはずの爆発行程ですら首を振ってシリンダーをゴリゴリ削っていたわけです。
変更点としてはロングストロークのクランクシャフトとショートハイトピストンとの組み合わせしかなく、これが主要因であることは間違いなさそうです。

この仮説に基づいて各症状を考えると、
・爆発行程での首振りが酷いことから、その他の行程での首振りも相当に酷いはず。従って緑ミニの大きめの損失出力もこの仮説に合致。
・爆発行程での首振りによるロスそのものは計測出力の低下に現れるが、緑ミニの低い計測出力もこの仮説に合致。
・爆発行程での首振りは、負荷が高い状態でアクセル全開にするような状況で顕著になるはずなので、せいぜい2速までしか使わない成田では問題なくて3速4速で高回転まで回す筑波で影響が顕在化したのもこの仮説に合致。

あとは、このピストンの首振りが原因でタイミングベルト外れにつながるようなクランクシャフトの振動が発生するかですが・・・、爆発行程毎にピストンがゴリゴリ削れている状態ではクランクシャフトに伝わる爆発力の変動も複雑なものになるはずで、それが異常なトルク変動に繋がった・・・のかなあ、という想像しか出来ません。まあこれは今後の対策エンジンで確認するしかないかなと思ってます。

エンジンチューニングの世界では、レスポンス向上を狙ったピストンのショートハイト化は普通に行われるアイテムになってますが、ショートハイト化による首振りを防ぐためにはクリアランスを詰める等の手当が必要です。
ところがミニのエンジンは、捻れの影響を受けやすい3ベアリングのクランクシャフトだったり、またピストンからクランクシャフトへの入力がブレそうなオフセットボーリングのブロックだったりすることから、現代のエンジンよりも大きめのピストンクリアランスが必要とされてます。
そのピストンクリアランスを詰めるのは焼き付きのリスクが伴うため、この道を進むには相当に慎重になる必要があります。ピストンの膨張特性を考慮しながらクリアランスの限界を見極めて、できればスカート部分に囓り防止のコーティングも加えて・・・でしょうか。何となくそういうアプローチで上手く使いこなしている人に心当たりがあるのですが・・・、具体的にはロングストローク仕様のマルチポート車で全車両中最高のトップスピードを出している人とかw

関連して思い当たる情報もいくつかありまして。

オメガのミニ用ピストンって73.5mmに関しては鋳造がラインナップのメインで鍛造ピストンがほとんど無いんですが、首振りによるパワーロスを防ぐためには寸法変化の少ない鋳造ピストンでクリアランス狭めを狙うべき・・・という先人達からのメッセージだったのかな、とか。

マルチウェブのクランクシャフトは出力が出にくいという噂を聞いたことがありますが、これも原因はクランクシャフト本体ではなくてキットに含まれているショートハイトピストンが原因だったのかな、とか。

某秘密基地のN村店長もロングストロークにショートハイトピストンを組み合わせてるように見受けられるのですが、N村店長もレースでは苦労してるよな、とか。

思うところをいろいろ書きましたが、結論は「ロングストローククランクとショートハイトピストンの組み合わせはリスク大で、少なくとも簡単にはいかない。やめておいたほうが方がむしろ無難」でしょうか。


今後のエンジンの構想と仕様についての詳細は次回に続きます。


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運動神経のなさを経験値でカバーしようと企むAround 40です。
これまでランエボでのサーキット走行にハマり、最近はClassic MINIに惚れ込んでます。Mini1000、1300キャブクーパーとおんぼろミニを乗り継いで、Austin Mini Mk1 に辿り着きました。レストア、トラブル対策とのんびりドライブを楽しんでます。
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