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ちょっとした贅沢

引っ越しに伴って親分の新しい主治医を決める必要があり、この木曜日はお休みを頂いて二人で走り回ってました。ついでにコメダでお茶もしましたよ、家からすぐの所にコメダコーヒーがあるのでとてもありがたいですw
そして金曜日は自分自身の主治医を決める必要があって紹介状を手に殴り込んできましたw なんやかんやで疲れましたが結果的には土日を入れて4連休、最近疲れてきていたので休憩になると良いなと思ってます。

さて本題ですが。

僕は車やパソコンには妙に拘りがあり、選ぶのにもチューニングするのにも時間とお金をかけ情熱をつぎ込んで楽しんできましたが、その一方で家庭用電化製品はどうでもよくて動けばOKと思ってました。そんな感性だったのでホームセンターで一番安かった掃除機を購入して10年以上使い続けてきて壊れたので、新しい掃除機としてダイソンを選んでみたら使い易す過ぎて人生を損した気分になったという記事を以前書きました(こちら)。

そんな体験をしてから少し心を入れ替えましてw、ひょっとしたら同じように人生を損しているアイテムが他にもあるのではないか!と、最近は惰性ではなく多少は考え疑いながら生活していますw

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今回はこれを買ってみました。焼き芋用の鍋「いも太郎」です。

これまでは焼き芋なんて電子レンジでチンでいいや〜と思っていたのですが「いやいや専用の鍋と言うからには何かあるに違いない」と疑いの目で見直しましたよw っと、そんな大げさな話ではなく寒いので暖かい美味しい焼き芋を食べたいだけなんですがw

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鍋の内側は釉薬がかかっていない素焼きの肌になってまして、芋が蒸れ過ぎないように芋から出てきた水分を吸収してくれるようになっています。そして天然石500g付きw・・・この天然石ってのが意味不明だったんですが、使ってみると美味しく焼くためには効果絶大で、それは何故かというと鍋の底に石を敷くことで芋との接点が面ではなく点になるために焦げ付きを防ぐことが出来るのでした。この効果は想像出来なかったな〜w

上の写真は種子島産の安納芋(安納蜜嬉という名前のようですw)をゲットして仕込んだ様子です。最初に強火で15分、続いて弱火で15分焼いて出来上がりです。

P1230073.jpg

うおおお〜、焼き芋から蜜が!?初めての体験でちょっと、いやかなり感動しましたw

P1230074.jpg

素晴らしい焼き上がりです。やっぱり人生損していたようですw

P1230061.jpg

普通のサツマイモでもこの仕上がりです。この冬は楽しめそうですw



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2015春の大改装〜クランクシャフト軸ズレの影響検証

おそらく今週SVに行かれた皆様からP師に「なんで測らないの?」「早く測れば?」とプレッシャーをかけて頂いたおかげだと思うのですが、P師から速攻でメタルの厚さの計測結果が送られてきました。皆様のご協力に感謝いたしますw

そんなわけで検証してみました!

20150212_02.jpg

メタルの厚さだけではなくクランクシャフトのメインジャーナル(軸)の直径も改めて測定した結果、いくつか衝撃的な事実が新たに浮かび上がってきました(汗)。

うちの赤ミニは2009年の秋にエンジンのフルOHをしており、その際にクランクシャフトのリグラインド加工を実施しています。リグラインド加工というのは偏摩耗したり傷だらけになったりしたクランクシャフトの軸を一回り細く削り直す加工で、それに合わせたオーバーサイズのメタルも販売されています。実際にはオーバーサイズのメタルに合わせて必要なクリアランスを確保するべく現物合わせでクランクシャフトの軸を削るという作業になるのですが・・・、

今回改めてクランクシャフトのメインジャーナルの直径を測ってみたところ、+20のオーバーサイズメタルに合わせるための一般的な直径よりも0.03mmほど細いということが分かりました。よほど高回転化を狙ったのか、計測か加工に手違いがあったのか。ひょっとするとブロック側の軸受けの位置がズレていたためにクランクシャフト自体が曲がった状態で計測してしまった結果としてプラスチゲージの値が厳しめに出てしまって、それに合わせて削った結果なのかもしれません。

まあ理由は定かでは無いのですが、とすると推定されるクリアランスは当初狙った0.06mmではなく+0.03mmの0.09mmだった可能性が高いです。もちろん大き過ぎです(汗)

とは言えデメリットだけではなくメリットもあった・・・のかもしれません。先日ご紹介した時はクリアランスを0.06mmと考えたためにクランクシャフトが各ベアリングにギリギリで収まる位置関係でしたが、クリアランスを0.09mmとすれば比較的余裕を持って収まることが出来ます。とは言えそれでも最も厳しい#2で0.02mm程に留まりますが(汗)

さらに、これまで使ってきたメインベアリング用のメタルの厚さを計測した結果、なかなかにツライ現実が見えてきましたよw

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エンジンブロックを逆さまにして底面を上に向けてます。一番手前になるのがクランクシャフトの軸受け部分3箇所ですね。

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ブロックのフロント側の軸受け(#1)とベアリングメタルの状態です。ブロック側の厚さが2.065mm、キャップ側が2.058mmでした。

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センターの軸受け(#2)とベアリングメタルの状態です。ブロック側の厚さが2.060mm、キャップ側が2.065mmでした。

R0015957.jpg

ブロックのリア側の軸受け(#3)とベアリングメタルの状態です。ブロック側の厚さが2.060mm、キャップ側が2.054mmでした。

ベアリングメタルの厚さは、一番厚いもので2.065mm、一番薄いもので2.054mmという結果になりました。初期(新品の時)の厚さが不明のため、ちょっと荒っぽいですが一番厚いものを「摩耗していない」と仮定して各メタルの摩耗量を求めてみました。

20140212_01.jpg

以上の結果をまとめたのが上の図です。青い線と数字が2009年OH時の推定値、赤い線と数字が今回の改装前の状態です。

今回の狙いである「軸受けの位置ズレによる偏摩耗」の検証としては、先日の記事ではクリアランスの狭いところで摩耗が進むだろうと予測しましたが、結果的にその通りになっていたことが数字で確認出来ました。

繰り返しになりますが最も控えめに見積もった摩耗量ですよ・・・それでも#3のクランクシャフト軸のクリアランスが0.10mmオーバーって?(大汗)そりゃあ油圧が低めになるわけですよね。実際にどれだけのクリアランスだったのかについては残念ながら計測出来てません。今となってはブロックもラインボーリングしてしまったので再計測も出来ない状態です。

うーむ、やっぱり計測と記録って経験を定量化して次に活かすためには大事だなあと思うのですが、忙しいP師にそこまで無理を言うことも出来ないし難しいところですね。最終的には自分でOH出来るようになればイヤというほど計測出来るのでしょうけれども・・・それは老後の楽しみにしますかねえw

ちなみに#3で上下共に摩耗が激しい理由としては、広めのクリアランスの中でクランクシャフト軸が暴れ回ったことに加えて、こちら側に重いフライホイールが装着されている影響が大きいと思います。

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#3の最も薄くなっていたキャップ側のベアリングメタルをアップで観察してみました。上下2段の摺動部分の下側に摩耗した痕跡がありますね。これも繰り返しになりますが、広めのクリアランスの中で斜めに傾いたクランクシャフト軸が暴れ回ったことと、重いフライホイールによる負荷が大きかったことの2つが原因でしょう。

今回のOHでクランクシャフト軸の配置精度を確保したこととクリアランスを狭め(とは言っても0.050〜0.055mm狙いですが)にしたことの相乗効果で、こういった偏摩耗の挙動がどのように変わるのか、はたまた変わらないのかw、興味津々です。5年後が楽しみです!というか、5年後の楽しみを仕込むという楽しみ方もOHにはあるんだなと発見できた一件でしたw


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2015春の大改装〜エンジンブロック加工その3

昨日の記事の内容を要約すると、

・ブロックのクランクシャフト軸受けが真っ直ぐになってなかったので真っ直ぐになるように加工しました。

・シリンダーをクランクシャフトの軸に対して垂直になるようにボーリングしました。

・ついでに可能な限りオフセット加工してみました。

という内容でした。実にマニアックな内容なのですが、予想以上にウケが良かったので(?w)気合いを入れて更に深掘りしてご紹介です。つき合って読んでくれる人いるかなw

CCI20150120_00000.jpg

「ブロックのクランクシャフト軸受けが真っ直ぐになってなかったので真っ直ぐになるように加工」の部分ですが、昨日はさらっとご紹介しましたが、この重要性というか危うさを皆さんご理解頂けているでしょうか?

計測の結果は「ブロック側の3つの軸受けのうち、#1と#2はブロック下面と平行だけれど#3だけ0.07〜0.10mmズレてた」というものでしたが、
「0.10mm?誤差みたいなもんじゃん、たいした事ないない」と思った方も多いんではないでしょうか。・・・実は僕自身がそうでした←ダメ人間w

布団に入ってから軸受けとクランク軸の位置関係を頭の中で思い浮かべていたら、ようやくその危うさに気付いたという・・・人間ちゃんと物事を真正面から受け止めて考えないとダメですね。本日はその内容をご紹介しようと思います。

20150210_03.jpg

上の図は、思いっきり簡略化して書いてますが、3つの軸受けとクランクシャフト軸との位置関係を示しています。なんせ実寸で描くとクリアランスが見えなくなってしまうものでw

左の図が3つの軸受けがきちんと一直線上に並んでいる状態です。真ん中の黒い棒がクランクシャフトのモデルです。クランクシャフト軸と軸受けとの間のクリアランスは0.06mm、つまり軸の両側に0.03mmずつ隙間があってオイルで満たされており、そのオイルの中心で静々とクランクシャフトが回っているイメージですねw

それに対して右の図がうちの赤ミニの加工前の状態です。ワーストケースで0.10mmズレている状態を表してますが・・・なんとか可動範囲内にクランクシャフトが収まるギリギリの状態でした(汗) 各軸受けでクリアランスが均等になるのが最も安定とすると、#1と#3が0.006mm、#2に至っては0.003mmってところでしょうか、実にギリギリです。

「それでも可動範囲に入っているんだから問題ないじゃん」と思う方も居るかもしれませんが、甘い甘いw

20150210_04.jpg

こちらの図は軸受けとクランクシャフトの軸の位置関係を断面方向から見た様子です。こちらも思いっきり簡略化しています。なんせ実寸で描くとクリアランスが見えなくなって以下略w

クランクシャフトの軸は、軸受けとの間に存在するクリアランス中に満たされたオイルの中に浮いた状態で固定されています。こうやってオイルで浮いた状態を維持することによって軸受けと接触して焼き付くことなく回り続けることが出来ます。

そしてこのクリアランスですが、エンジンの構造や出力によって適切な大きさが存在します。何故かというとクランクシャフトの軸はオイルの真ん中で静かに回るわけではなく、ピストンの爆発圧力で押されながら回るので、右の図のように偏心しながらオイル中を回っているのですが、爆発の圧力や頻度によって偏心の量が変わってくるためです。

ローバーのマニュアルによれば、メインジャーナルのクリアランスは0.025〜0.068mmと指定されています。とするとノーマルエンジンのクランクシャフトは一番小さなクリアランスである0.025mmのだいたい半分の量で偏心しながら回っていると考えるのが妥当かと思います・・・だっていちいちぶつかってたらすぐに焼き付いちゃいますからね。つまり実用上限4000rpmのノーマルエンジンのクランクシャフトの偏心量は0.0125mmくらいだと。

このエンジンをチューニングして8000rpmまでぶん回す場合、クランクシャフトにかかる負荷は回転数の比の2乗倍になります。つまり、

(8000÷4000)^2=4倍 となります。

そうするとクランクシャフトの偏心量も単純計算で4倍になるわけで、つまり、

0.0125mm×4=0.050mmとなります。

レース前提でA型エンジンをチューニングする際のクリアランス量は0.06mmと言われてますが、偏心するクランクシャフトにぶつからないためにもまあ妥当な設定なんだろうなあと思います。

ちなみに国産スポーツエンジンのクリアランスはもっと狭いです。せいぜい0.05mmでしょうか。何故ならば4気筒エンジンならば5ベアリングが当たり前だからですね。気筒毎にクランクシャフト軸を両側2個の軸受けで支えているので偏心自体が少なく抑えられているためです。

ついでに言うとA型エンジンで回転数上限を9500rpmにする場合にはもっと広いクリアランスが必要になることでしょう。(9500÷4000)^2=・・・実に0.07mm偏心しますから、必要クリアランスは控えめに言って0.08mmくらいでしょうかw
ここまで行くと低回転では油圧を保持するのも大変になるでしょうから、本気でレース専用エンジンになりそうですねw

・・・気がついたら思いっきり語ってしまってましたが(汗)何が言いたかったかというと、8000rpm前提だとクランクシャフトは0.05mmくらいは偏心しながら回転するわけですよ。つまり・・・修正加工前の赤ミニの軸受け配置ならば確実に軸受けにクランク軸が当たっていたな、と(大汗)

でもそれですぐに焼き付くわけではないんですよ。何故ならば通常行う「1000kmまでは4000rpm上限で慣らし運転」によって、まずは最初に当たる軸受け部分が軽く削られ、徐々に回転数を上げていく過程で偏心が増したクランクシャフト軸によって軸受けが更に削られ・・・を繰り返しながらクリアランスが増大していくためです。

とは言え、焼き付かなかったからメデタシメデタシ・・・では無く(汗)、そこには結果として過大になってしまったクリアランスが残るためにオイル保持(油圧保持)の観点で大問題になることでしょうし、そもそも慣らしの過程で削れて出てくる鉄粉(メタルベアリング側が摩耗するとしたら銅や鉛粉かなw)がどう考えても無駄ですし。
油圧は下がるわ鉄粉やたらと出るわ油温ガンガン上がるわ、結果として潤滑不良や過大なクリアランスの中で暴れまくるクランクシャフトによって更に摩耗が進むわ・・・で全くの負のスパイラルに陥ってしまいます。

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そんなわけで軸受けをビシッと一直線に揃えるというのはエンジンの性能的にも耐久的にも非常に重要なのです。エンジンの一生を決めると言っても過言ではありません。

上の写真は修正加工後のブロックの軸受け部分ですが、見るからに一直線になってますよね!←ウソです、目で見て分かるもんじゃありませんw

でもメカフェチ心をくすぐる良い写真だと思うんですよ。P師は時々こういう良い写真を撮ってくれるのが心憎いですが、たぶん作業が夜遅くなって暗い中で必要に迫られてライトアップしているだけかもしれませんw


PS. クランクシャフト軸の偏心量の話はノーマルの指示値を元にした一つの推論ですが、おおよそ当を得ていると思います。ここに思い至った過程には、P師からの問題提起に始まって某秘密基地のN村店長や某秘密商社の救いの神様と相談させて頂いた遣り取りがあり、そのおかげと感謝しております。ありがとうございます!

PPS. これまで使ってきたメタルベアリングの厚さを測れば、これまでの軸受け配置からベアリング部分がどの程度負担を受けて過剰に削られてきたかを検証出来るのですが、P師に「ベアリングの厚さ測って〜」と頼んだら「エンジン組むのに忙しいからダメ」と断られてしまいました。工学的検証のために重要な知見なので測って欲しいんですけどねえ・・・え?いやいやブログネタのためじゃないですよw

この記事を読んだ皆さんも次にSVに行く機会がありましたら「あれ測った?」とか「なんで測らないの?」とか「早く測れば?」とか、プレッシャーをかけてきて下さいw



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2015春の大改装〜エンジンブロック加工その2

2015春の大改装と称してまたエンジンをいじっております。

今回の内容を一言で言えばパワーアップを目指してチューニングしているわけですが(それはいつもと同じですねw)、これまでも散々いじり尽くして現状で既に90PS以上まで到達してしまっているため、ここから先の取り代としては低回転域を犠牲にして高回転域でのピークパワーを優先するか、ロスを取り切るかの2択になります・・・まあ普通はw。そういったトレードオフから如何に脱却して新しい成立点を目指すか、というのが面白くて難しいポイントでもあるのですが、それについての詳細はまた後日とにさせて頂いてw

今回は後者のポイント、つまり「ロスの取り切り」について語らせて頂きます。

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エンジンとは、ガソリンの持つ化学エネルギーを燃やすことによって熱エネルギーに変換し、発生した熱によって混合気を膨張させてピストンを押し下げる「力」に変換し、それをコンロッド経由でクランクシャフトの回転運動に変換するというエネルギー変換器です。そしてそのそれぞれのステップにある「ロス」を根気よく執念深く取り除いていくのがエンジンチューニングと思っています。全くもって地道な作業ですw

例えば・・・、

効率よく混合気をシリンダーに取り込むためには、ポートやバルブを拡大しマニホールドの段差を無くして吸気抵抗を下げガソリンの気化率を高い状態に維持するという打ち手があります。

また吸気した混合気を効率よく燃やすためには圧縮比を最適化したり点火系を強化したり点火タイミングを負荷によって最適化するために制御を電子化したりするという打ち手があります。

爆発膨張する混合気の運動エネルギーを効率よく回転エネルギーに変換するためには、ピストンやコンロッドの軽量化や重量バランス取り、そしてクランクシャフトやフライホイールのダイナミックバランス取りという打ち手があります。

そしてそれらの結果として増大する発熱に対処するためには冷却系の強化が、増大する運動エネルギーに対処するためにはパーツ間のクリアランスの最適化や潤滑系の強化も打ち手として必要になってきますね。

こういった打ち手を全てバランス良く行う必要があります。どこか一つだけ突出してやったとしたら、一瞬だけパワーを出すことはできてもレースで数十分を全開全負荷で動かし続けることはできませんのでそこは誤解無きようにして下さいね。

で、話を戻しますと、うちの赤ミニを振り返ってみるとまあ一通り既にやってしまっているわけですよw それでこの後は一体どこに手を付ければいいかしばらく悩みました。その際にヒントになったのはブログ村のお仲間である「team ABOUT MINI 魂」さんのブログです(こちら)。

2009年の記事ですが、最初にこの記事を読んだときには目眩がしました・・・ミニのエンジンってそんなに加工精度低いのかよ、とw

team ABOUT MINI 魂さん曰く、

「ミニのエンジンは加工精度がかなり悪いので、普通はクランクシャフトのメインジャーナルセンターとシリンダーセンターは直角になっていないといけないのに、ミニの場合はそれすら出てなくてそれがフリクションになってたりもします」

「さらにメインジャーナルセンターとブロック上面の平行も出てなかったりするので、そのままボーリングしちゃうとさらにシリンダーとメインジャーナルの角度が悪い方向へずれていきます汗(ボーリングする場合はブロック上面を基準とするのが殆どの為)」

要するに「クランクシャフトの軸とブロック上下面の平行が出ていないために、クランクシャフトとシリンダーの垂直が出ていない」ということになります。爆発膨張する混合気の圧力を受けて下がってくるピストンの運動エネルギーをコンロッド経由で無駄無くクランクシャフトに伝えて回転エネルギーに変えたいのに、下手したらそのピストン自体がクランクシャフト軸に対して斜めに上下運動している可能性が高いわけです。しかもエンジンに向かって前後方向にズレているならばまだしも、ボーリング加工をヘッド面に合わせてやっているならば左右方向に傾いている可能性が高いわけですよ(汗)ロスしているであろうトルクだけでなく、メタルやリングにかかる負担を思うと泣けてきます。

team ABOUT MINI 魂さんはこの問題の対策として、ブロック上面をクランクシャフト軸と平行になるようにあらかじめ面研し、それからシリンダーボーリングすることによってクランクシャフト軸とシリンダーとの垂直を確保したようです。しかしその過程で他にもいくつか問題が出たようで、その中で個人的に無視できない最たるものは「クランクシャフトの3つのベアリング位置が直線になっていない」でした。

そんなわけで、team ABOUT MINI 魂さんのトライを参考にしつつ、そこでは手を入れられなかった部分まで含めて徹底的に加工することにしました。段取りとしては以下のようになります。

1)計測して現状把握

2)ブロックのクランクシャフト支持部をラインボーリングしてまずクランクシャフト軸の直線を確保

3)ダミークランクを作製してブロックにセットし、それを基準にブロック上下面の平行を確保

4)ダミークランクを基準にボーリングし直すことでシリンダーの垂直を確保

5)加工可能な範囲でオフセットシリンダー加工

以下で詳しく説明していきますw

CCI20150120_00000.jpg

上の写真は加工工場から送られてきた加工前の計測結果のレポートです。

クランクシャフトの軸受けはやはり直線が確保できてませんでした。1番と2番の軸受けはブロック下面に対して平行が確保されてますが、3番の軸受けだけ0.07〜0.10mmズレてました。フライホイール側の軸受けなので摩耗が原因かなと最初は思ったのですが、今回測ったのはメタルではなくブロックですからね(汗)、摩耗では無く加工精度なんだろうなと思います。

このレポートの後半では1番軸受け側のブロック側面の精度も緻密に測定してます。その結果、ブロック側面はブロック下面とはやはりというか当然の如く垂直になっていなかったのですがw、この情報は次の工程のために必要になります。

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次はクランクシャフト軸受け部分のラインボーリングですが、ブロックを立てて上から下に向かってボーリング加工してます。一般的な横方向のラインボーリングだと延長して長くなった歯具の垂れ下がりが加工精度に影響するため、今回お願いした加工工場ではこの方法をとっているとのことです。

また、この際には当然ながらブロック下面が定盤に対して垂直に立つようにブロックをセットしなければならないのですが、そのために先のブロック側面の計測結果が利用されてます。

そして次のステップではダミークランクを作製してラインボーリングした軸受けにセットし、それを基準にしてブロック上面の平行、シリンダーボーリングの位置および角度といった全てのディメンジョンを決めていきます(加工工場の企業秘密とのことでダミークランク自体は写真には写っていません)。

「クランクシャフトこそはエンジンの中心でありパワーを出すための要」とは湾岸ミッドナイトで悪魔のZをバラしたときに主人公が気付いた真理ですがw、現実にそれを徹底的に実現できるチャンスは滅多に無いのでありがたいことです。

CCI20150129_00003.jpg

こちらが加工途中のレポート。

各シリンダーの位置がダミークランク基準でどれだけズレていたかをブロック上面の前後方向で示していますが、大きいところでは0.2mm程もズレていたことが分かります。レポートにはシリンダーの横方向のズレや角度に関する情報はありませんでしたが、そこは「推して知るべし」ということなのでしょうかw

シリンダーの角度がズレているとピストンから真下方向に伝わるべき爆発の圧力が下方向と横方向に分散し、横方向に伝わった力はピストンをシリンダー壁に押し当てる形に使われるため摩擦抵抗増大に直結します。ピストンが常に横方向に押されながら上下しているようなものですからね、パワーロスにも耐久劣化にも大きく影響する部分です。ここの垂直が確保できたならば効果は大きいことでしょう・・・と言っても、ようやく普通の国産市販車並みになっただけなんですがw

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そして最後のアイテム、オフセットシリンダー加工です。上の図のようにクランクシャフトの回転軸に対してシリンダーを真上ではなく回転方向に少しオフセットさせる技術です。

この加工もダミークランクという基準があればこそ精度良く可能となる加工だったりします。せっかくダミークランク作ったのでメリットは全て享受したいな、という思いもあったりしますw ちなみにどんなメリットがあるかと言いますと・・・、

20150208_04.jpg

爆発圧力が最大になるところ(ピストンが上死点から下死点に向かって下降している途中)でのコンロッドの角度が垂直に近くなり、爆発力を横方向に逃がさずに効率的にクランクシャフトに伝えられます。

20150208_05.jpg

爆発力の反力はピストンに垂直方向にかかる力と水平方向にかかる力に分解されるのですが、このうち水平方向にかかる力がピストンをシリンダー壁面に押しつける力となるのでこの部分での摩擦ロスが大きくなります。逆に言えば、オフセットシリンダーによって最大爆発圧時のコンロッドが垂直に近ければ近いほど力が横方向に分散せずに真下に伝わるため、ピストンが壁面に押しつけられて摩擦抵抗が増大するような状況が減るわけです。

もう一つのメリットとして、上死点近傍でのピストンの滞留時間が僅かですが増えますので、ピストンが混合気の爆発力を十分に受け止めることが出来て取り出せるトルクが増えます。

そんな感じでピストンの摺動抵抗低減と往復→回転運動の変換効率アップが主なメリットになるためエコ系のエンジンに多く使われている技術ですが、パワーアップにも無視できない効果を発揮してくれるはず!と期待しています。あ、デメリットとしてはピストントップの熱負荷が増えることが考えられますので、冷却には十分気を遣う必要がありますので念のためw

シリンダーの位置と角度の修正に削り代を取られたため実際にオフセット出来た量は0.4mmに留まりましたが、さーてどんなフィーリングになるのやら・・・実際にエンジンを吹かす日が楽しみですw



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2015春の大改装〜エンジンブロック加工その1

先ほど自分のブログを振り返ってみたら「2014春の大改装」と称してエンジンをいじりまくったのが昨年3月でした。それからまだ1年経っていないのにまたいじり倒すという、人間の業の深さに思いを馳せる今日この頃です(違w

詳細は3月の開幕戦までは秘密ですが、公開出来る範囲で少しずつ書いていこうと思います。なによりネタ切れ気味ですしw

R0015864.jpg

これまで1000cc用のヘッドをフルチューンしながら使ってきましたが、今回の大改装では1300cc用のシリンダーヘッドを流用します。

そこで最大の利点になり最大の問題点にもなるのがバルブ径ですね。エキゾーストバルブで言えば、もともと付いていた1000cc用のバルブが直径25mm、昨年に一発奮起して拡大した時でも直径27mmでした。たった2mmの拡大でもパワー特性が激変して驚いたものですが、今回組み合わせるエキゾーストバルブは何と直径31mm・・・1300cc用としては標準的なサイズですが、1000ccでは従来比で1.3倍、25mmの時と比較すれば1.5倍の面積となります。排気効率が向上するのは間違いないですが、下手にオーバーラップの大きなカムと組み合わせると圧縮圧力が下がってしまって低速トルク激減にもなりかねないという諸刃の刃です。そういう意味でもカム選びは慎重に進めたいところですが、何せこの領域は経験が無いので(汗)最終的には勘に頼ったギャンブルになりそうですw

そして上の写真ですが、1000ccのブロックに1300cc用のヘッドを組み合わせる場合には上述のエキゾーストバルブの大きさがもう一つの問題点になります。ピストンのボアが小さすぎてバルブが下がった時にブロックに当たってしまうんですよw そんなわけでバルブが干渉する部分を現物合わせで割り出し、その部分を削る必要があります(リセス加工と言います。上の写真で白くペイントした部分を削ります)。

SCN_0004.jpg

このリセス加工した部分は燃焼室の容積に入ってくるのですが、ということはリセス分の容積をきっちり求めておかないと目標の圧縮比にするためにヘッドをどれだけ削れば良いか見当が付けられないという事態に陥ります。

今回のリセス加工では深さ方向に4mm削ることが先に決定してましたので、あとはリセス部分を上面視した時の面積(上の図の赤い斜線部分)が分かれば体積を求めることが出来るわけですが・・・どうしようこれ。たったこれだけの情報から面積って求められましたっけ?w

SCN_0005.jpg

眺めていてもしょうがないので昔習った数学の知識を思い出しつつ計算してみました。代数・幾何ですが・・・趣味に役立つ素晴らしい学問だと今になって改めて思えますねw

ちなみに途中で寸法の見直しの連絡が2回ほどP師から入ってその度に計算し直しましたよ(涙)計算結果は断面積で1.45cm2、体積で0.58ccとなりました。

IMG_9305.jpg

今回はマニアックに計算しましたが、もっと簡単に求める方法もあります。

こんな感じに図面の求める部分を丁寧に切り抜いて重さを測ってやります。そして同じ紙に印刷した面積の分かっている図形(例えば10cm四方の正方形)を同じように切り抜いて重さを測ってやるわけですよ。両者は同じ紙を使っているので重さは面積に比例しますので、まあそれで求まってしまうわけですね。mgまで測れる天秤があれば実際のところかなり正確に求めることが出来ます。

こんなことやらなくても図面書くのにCADとか使えばそれで求められるんですが、こうやってあれこれ考えるのもまた楽しみって事でw

IMG_9308.jpg

そして今日は節分でしたね。I藤さんからのメールでそのことを思い出し、帰宅途中で恵方巻きを買おうとしたものの売り切れていて、仕方ないのでフルーツロールをゲットしましたw

iPhoneで西南西を正確に割り出し、親分と二人並んでガブシと食しました。今年も無病息災で過ごせますようにw

PS. この記事をアップして気がついたのですが、当ブログの666番目のエントリーでした。まさに悪魔製造工場に相応しいネタ・・・ですかねえw



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プロフィール

みくた

Author:みくた
運動神経のなさを経験値でカバーしようと企むAround 40です。
これまでランエボでのサーキット走行にハマり、最近はClassic MINIに惚れ込んでます。Mini1000、1300キャブクーパーとおんぼろミニを乗り継いで、Austin Mini Mk1 に辿り着きました。レストア、トラブル対策とのんびりドライブを楽しんでます。
よろしくお願いします。

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