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エンジン不調の原因と対策 その3

エンジン不調の苦悩編その3、トラブル紹介、パワーが出ない原因の解析と続いて、今回は今後のエンジン仕様についてご紹介です。

スライド4

先回ご紹介した排気量と最高速との関係の図です。

緑のプロットがミニ1000クラス、橙色のプロットがインジェクションクラス、赤および黒のプロットがSBoM、モトおよびシルエットクラスで、黒色のプロットがロングストローク仕様、白抜きのプロットがマルチポート仕様です。

スライド9

グラフの縦軸を最高速から出力に換算してます。
出力を馬力で書くと生々しすぎるのでw、MRRC70号車を基準(1.0)として相対的に示しました。

スライド10

更に、縦軸の出力を排気量で規格化して排気量あたりの出力としました。
一つ前のグラフと同じくMRRC70号車を基準にして相対的に示してます。

今は亡き赤ミニ・・・相当にイケていたことがよく分かります(涙)。そして緑ミニは相当イケてないですね(号泣)。

スライド11

各仕様の群の中で一番上に来るプロットが、それぞれの仕様の中で最も効率よくパワーを出している車と言うことになるわけですが、マルチポート仕様では赤ミニ、そして5ポート仕様ではMRRC70号車になります。

うん、我らがP師、頑張ってますね。

奇をてらったことは一切せず基本に忠実に・・・、段差を徹底的に取り除いてスムージングした吸排気系、表面を研磨して軽量化および重量合わせしたムービングパーツ、最適化された各パーツのクリアランス、そしてそれらを丁寧に組む基本技術、というあたり前の作業の積み重ねでしかないのですが、例えオーナーが気づかなくても物理の神さまはちゃんと見ていて結果に反映してくれてます。数字は嘘をつかないですからね。

こんな真面目なメカニックが味方になってくれていて本当に幸せですよ、まあ、緑ミニではちょっとやらかしてくれましたがw・・・悪い結果も一つの糧としましょう。

スライド13

排気量あたりの出力のグラフでベストな効率のラインが分かりましたので、そのラインをそのまま換算して縦軸速度のグラフに戻すとこんな感じのラインになります。

各排気量で、5ポートおよびマルチポートのそれぞれで最高速をここまでは伸ばすことが出来得るという目標線ですね。
例えば1,380ccで5ポートならば156km/hr、マルチポートならば164km/hrになります。1,460ccではマルチポートならば169km/hrですが、5ポートだとこのラインよりも下に限界が来る見込みです。理由は先回ご紹介した通りで、ロングストロークに5ポートヘッドの組み合わせでは吸気ポートがボトルネックになりトルクが低下するためです。

スライド12

緑ミニを改良するとして、現状のロングストローク仕様のまま手を打つならば、ノーマルハイトのピストンを使って5ポートのまま160km/hr弱を目指すという(A)のアプローチか、そこから更にマルチポート化して169km/hrを目指す(B)のアプローチが選べます。

もう一つの選択肢としては、ミニ1000時代に身につけたノウハウを活かしてマルチポートのまま排気量アップするという(C)のアプローチというか考え方もあります。

どうするか悩んだのですが、今回1,440ccチューニングを無防備に進めて痛い目に遭ったこともあり、これまでの経験を活かせる(C)のアプローチで進めることにしようと思います。

排気量は1,380ccで行きます。

MRRC70号車で基本的な実績と経験があるのが一つの大きな理由です。
また、ロングストローク仕様では仮にノーマルハイトピストンを使ったとしてもある程度のピストンの首振りとその結果としての寿命低下は避けられない気がしてまして、それを避けつつロバストな構成で余裕のある状態で効率アップしていきたいという思いがあり、ノーマルストロークのクランクシャフトを用いた1,380ccを選びました。

IMG_7495m.jpg

SVにて。32FESに向けて突貫で作業が進められてます。

例のスタンドが活躍している模様w

IMG_7497m.jpg

既にエンジンは組み上がって搭載まで完了。

えっと、組む途中の写真がもらえてないのですが・・・P師忙しそうだし無理言えませんね。

IMG_7499m.jpg

FIAボディに電子制御のマルチポート・・・いや〜邪道ですねw 
全くもって素晴らしい。自分とSVらしくて気に入ってます。

正道のFIA仕様といえば12Fブロックを用いた1,293ccとなりますが、それはもう少し先、老後の楽しみに取っておきます。


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エンジン不調の原因と対策 その2

エンジン不調の苦悩編、続きです。前回は起きたトラブル順に紹介しましたが、今回はもう少し俯瞰して眺めてみます。

最初にちょっと振り返りになりますが。

赤ミニでは1,000ccエンジンでロスをギリギリまで削って出力アップを重ねてきました。それはそれで楽しかったのですが、それでも排気量の差には勝てないという思いがありました。特にTBCCのように排気量の異なる車両で混走するような場合は厳しくて、どうしても無理してしまってクラッシュまで至ってしまったという反省があります。

そんな背景から、緑ミニのエンジン仕様を決める際に第一に考えたのはエンジンの排気量アップでした。その他は平均的な仕様でそこそこ楽に走れる状態をまずは作って、そこから段階的にロスを削っていこう、というチューニングシナリオを考えておりました。

エンジン仕様は、86mmロングストローク+73mmピストンの組み合わせで排気量1,440cc、ヘッドは一般的な5ポートながら効率を優先してビッグバルブのオフセット仕様とし、カムシャフトはレースで実績があるとされるパイパーの649を選びました。

排気量なりに期待したトルクは14kg・mで、そこから想定できる最高出力としては140PS程度、悪くても130PS台後半を期待していたのですが、シャシダイで測定した結果はトルクが13.1kg・m、最高出力が117PSという期待をかなり下回る値でした。筑波のバックストレートでの最高速は107PSだった赤ミニを下回る結果でしたので、実際には100PSそこそこしか出ていないのが現実かと思います。

そもそも楽するために排気量アップしたはずなのに、なぜこんなにパワーが出ないのか?

まずは緑ミニの現状の立ち位置を明確にしてみました。

スライド1

2019年度SBoM第2戦のリザルトから、参戦している全車両の排気量とバックストレートでの最高速度を抽出してプロットしました。横軸が排気量、縦軸が最高速度です。緑のプロットがミニ1000クラス、橙色のプロットがインジェクションクラス、赤いプロットがSBoM、モトおよびシルエットクラスです。

全体を眺めると右肩上がりで、排気量が上がるに従って最高速が高くなるという傾向が現れてます。「排気量に勝るチューニング無し」は全体の傾向としてその通りになってます。

その他の特徴としては、インジェクションクラスは右肩上がりの傾向の中にはあるものの最高速度は他のクラスに比べて全体的に低めで、インジェクションエンジンが出力を出しにくい現状がデータとして見て取れます。

スライド2

ロングストローク仕様の車を黒で区別してみました。

一番右側の、大排気量の一群になります。

スライド3

更に、マルチポートの車を白抜きのプロットで区別してみました。

多少のバラツキはありますが各群の上位はマルチポート車であり、出力を出すにはマルチポート化は有利であることが分かります。

スライド4

で、緑ミニはココです。右端の群の一番下、ロングストローク車の中のビリっけつですよ(涙)。

対策するのに先んじてまず必要なのは冷徹かつ定量的な現状把握ですので、血の涙を流しながらグラフを眺めております。

ちなみに今は亡き赤ミニをプロットすると左上の位置に来ます。今思うとずいぶん優秀な子でした。クラス最強はもとより、今の緑ミニよりも上に居ます。

スライド5

5ポート仕様である緑ミニの解析をまずはしたいので、マルチポート車を削除して5ポート車だけにしてみました。

各群でもちろん上下にバラツキはあるのですが、各群の上端のプロット、つまり最高速度が高い車両に注目すると、おおよそ直線上に乗ってきます。ミニ1000クラスにこの傾向に乗らない車両がありますが、おそらく開示されている情報が違っているのではないかと想像してます。おそらく1300用のピストンと組合わせて1,200ccあたりの排気量になっているのではないかと。

話を戻しますが、この最高速が高い車両をつなぐラインは「現状で実現可能な最も高い最高速」のラインとなります。当然ロングストローク車の群もこのラインに届いて欲しいのですが、届いてないんですよね。ちょっと低めの所に固まってます。言い換えると、排気量なりに速くなって欲しいのに、速くなりきれてません。

たまたまこのレースで速い車両が居なかったのでしょうか? 
僕はそうは思えないのです。有り体に言うとロングストローク化で排気量アップした場合のトルクとその結果としてのパワーの伸び代は実は少ないのではないかと疑ってます。

スライド6

そんな疑いを検証するために手持ちのデータで解析してみました。上の図は緑ミニのパワーチェック結果です。

最大トルク13.1kg・m、最高出力117PSとなってますが、納得いかないんですよね〜・・・ではなくて。
パワーチェックのチャートは出力だけでなく他にも色々なデータが現れてます。

パワーチェックの手順としては4速までシフトアップし、低回転から8000rpmまでアクセル全開で加速させるわけですが、その過程で測定されるのが「計測出力」で、これがタイヤから路面に伝わる実際の出力になります。
また、8,000rpmまで加速した後でアクセル全閉で回転が落ちてくる過程も出力(この場合は抵抗)を測ってまして、このマイナス側の出力が「損失出力」で、エンジン内部から駆動系までのメカニカルな抵抗による出力ロスを表してます。
ここで「計測出力」に「損失出力」を足した値が「補正出力」で、エンジンが発生した出力を表し、補正出力を回転数で割って求めたのがトルクです。

今回は、チャートの中の「最大トルク」と「6,000rpmでの出力損失」に着目してデータを集めてみました。

僕自身は残念ながら1,000cc以外のチューニングデータはほとんど持ってませんので、排気量違いのパワー特性をネットで漁って集めました。猟場は主に某所沢秘密基地の工場長ブログです。

スライド7

チューニングの結果を議論する場合は、一般的には「補正出力」の中の最大出力に注目するのですが、最大出力はカムやヘッドの仕様で大きく変わるので横並びの比較がしにくいです。そこで今回は「最大トルク」に注目しました。

トルク特性もカムやヘッドの特性に影響を受けるのですが、最大トルクだけは、いわゆる「最高効率点」なので他の仕様の影響を受けにくく、極論すると適切な圧縮圧力にさえなっていれば排気量なりの値になります。経験的にはNAエンジンならば排気量1,000ccあたり10kg・m程度の値に落ち着きます。

某所沢秘密基地のブログを9年間分見直して←、圧縮圧力まで調整したと思えるデータを8点(5ポート車6点およびマルチポート車2点)抽出し、排気量に対して最大トルクをプロットしたのが左上の図になります。

限られたデータの中での解析となりますが、まずは5ポート車のプロット(青丸)に注目すると、おおよそ1,300ccまでは「排気量1,000ccあたり10kg・m」の直線に乗っているのですが、1,300ccを超えたあたりから寝てきてしまってます。

この挙動は、排気量の拡大に対してヘッド(おそらく吸気ポート)がボトルネックになってしまって、1,300ccを超えたあたりから十分に吸気しきれなくなり、圧縮圧力が上がらずトルクが低下しているのではないかと推測しています。高回転のために吸気時間が短くなる出力点ではなく、4,000〜6,000rpmの最大トルク点ですらボトルネックになってしまっていることから、排気量に対して吸気のキャパが根本的に足りなくなっているように思います。

この考察を裏付ける傍証ですが、マルチポート化するとこのトルクが寝てくる傾向は解消されます(白抜きの青丸)。ヘッドのポートがボトルネックになっている証拠ではないかと思いますし、ヘッドのボトルネックが大きくなる大排気量でこそマルチポート化の効果は大きいとも言えるかと思います。

1,300cc以上の排気量では吸気のボトルネックからトルクが低下することを説明しましたが、その一方で緑ミニの最大トルクはこの議論だけでは説明できないほど下に居ます。何か他にもロスに繋がる要因があることになります。
それを確認するための一つの指標として損失出力にも着目してまとめてみました。それが右上のグラフになります。

損失抵抗は排気量との相関はなさそうで、10kg・mあたりを中心に±4kg・m程度の範囲で分散しています。

緑ミニの損失出力は・・・、確かにこの中では最大ではありますが(汗)、それでも他に比べて圧倒的に大きいことはなく、出力の低さを説明しきれるほどではありません。とは言え、損失出力を緑ミニの14PSに対して7PSまで下げた車もありますから、エンジンの組み様によっては損失低減で7PS取り返せることを示しているわけで、チューニングする上で無視できない寄与ではあります。

スライド8

ここまでをまとめるとこんな感じになります。

トルク直線から低下した分の内訳として、「ヘッドのボトルネック」起因の低下と、それだけで説明できない「緑ミニ固有のロス」がある、と。

データから追えるのはこれが限界ですので、ここから先は現物を見て確認していきます。

IMG_7209m.jpg

レース4戦後にバラした際のエンジンの状態です。

ドレンの鉄粉は少々。

IMG_7259m.jpg

フライホイールのバランスが取れていないのではないかという懸念があったのですが、フライホイール、クランクシャフト共にバランスは問題なく、クランクの曲がりもありませんでした。

その結果でもあるのですが、最も負荷が掛かるリア側のメインジャーナルでもメタルの状態に問題なし。

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センターも問題なし。

IMG_7261m.jpg

フロント側も問題なし。

というわけで、回転系のダイナミックバランスが取れていなかったという説は完全に棄却できました。

IMG_7220m.jpg

ピストンです。Supertech製のショートハイトピストンですが、

IMG_7221m.jpg

スカートが傷だらけになってます。特にスカートの端の部分は囓って斜めに削れてしまってます。

IMG_7255m.jpg

シリンダー側です。

光が反射してよく分かりませんが(汗)、クリアランスは10/100まで広がってしまってました。下道走行含めて走行距離は400km程度ですが、4回のレースではいずれも予選リタイヤしてますので全開にする機会はそれほど多くなかったにもかかわらずクリアランスの許容値を既に超えてしまいました。

シリンダーのどの部分が最もクリアランスが広がっているかをP師に探って頂いたところ、ブロック上端から45〜50mm下の車両前後側という結果になりました。

この位置は上死点にいるピストンのちょうどスカートの下端に相当する位置になります。この結果から、爆発行程でピストンが下がり始める時にまずピストンが傾いてシリンダーウォールに齧り付き、その状態で爆発圧を受けて下がるためにこの部分を削ったと推測します。一方、他の行程ではこの位置にピストンがあるときにはスピードがほとんどゼロですので削れないはずで、その理由からも爆発行程に絞り込めます。

いわゆる「ピストンの首振り」という現象です。ただし、一般的にはピストンの首振りは吸気、圧縮、排気といったクランクシャフトからの力でピストンが引きずり回される行程で激しくなり、爆発行程で爆発圧がピストントップに均等に掛かる状態ならばそれほど酷くはならないと聞いた覚えがあります。にもかかわらず、緑ミニの場合は一般的に影響が少ないはずの爆発行程ですら首を振ってシリンダーをゴリゴリ削っていたわけです。
変更点としてはロングストロークのクランクシャフトとショートハイトピストンとの組み合わせしかなく、これが主要因であることは間違いなさそうです。

この仮説に基づいて各症状を考えると、
・爆発行程での首振りが酷いことから、その他の行程での首振りも相当に酷いはず。従って緑ミニの大きめの損失出力もこの仮説に合致。
・爆発行程での首振りによるロスそのものは計測出力の低下に現れるが、緑ミニの低い計測出力もこの仮説に合致。
・爆発行程での首振りは、負荷が高い状態でアクセル全開にするような状況で顕著になるはずなので、せいぜい2速までしか使わない成田では問題なくて3速4速で高回転まで回す筑波で影響が顕在化したのもこの仮説に合致。

あとは、このピストンの首振りが原因でタイミングベルト外れにつながるようなクランクシャフトの振動が発生するかですが・・・、爆発行程毎にピストンがゴリゴリ削れている状態ではクランクシャフトに伝わる爆発力の変動も複雑なものになるはずで、それが異常なトルク変動に繋がった・・・のかなあ、という想像しか出来ません。まあこれは今後の対策エンジンで確認するしかないかなと思ってます。

エンジンチューニングの世界では、レスポンス向上を狙ったピストンのショートハイト化は普通に行われるアイテムになってますが、ショートハイト化による首振りを防ぐためにはクリアランスを詰める等の手当が必要です。
ところがミニのエンジンは、捻れの影響を受けやすい3ベアリングのクランクシャフトだったり、またピストンからクランクシャフトへの入力がブレそうなオフセットボーリングのブロックだったりすることから、現代のエンジンよりも大きめのピストンクリアランスが必要とされてます。
そのピストンクリアランスを詰めるのは焼き付きのリスクが伴うため、この道を進むには相当に慎重になる必要があります。ピストンの膨張特性を考慮しながらクリアランスの限界を見極めて、できればスカート部分に囓り防止のコーティングも加えて・・・でしょうか。何となくそういうアプローチで上手く使いこなしている人に心当たりがあるのですが・・・、具体的にはロングストローク仕様のマルチポート車で全車両中最高のトップスピードを出している人とかw

関連して思い当たる情報もいくつかありまして。

オメガのミニ用ピストンって73.5mmに関しては鋳造がラインナップのメインで鍛造ピストンがほとんど無いんですが、首振りによるパワーロスを防ぐためには寸法変化の少ない鋳造ピストンでクリアランス狭めを狙うべき・・・という先人達からのメッセージだったのかな、とか。

マルチウェブのクランクシャフトは出力が出にくいという噂を聞いたことがありますが、これも原因はクランクシャフト本体ではなくてキットに含まれているショートハイトピストンが原因だったのかな、とか。

某秘密基地のN村店長もロングストロークにショートハイトピストンを組み合わせてるように見受けられるのですが、N村店長もレースでは苦労してるよな、とか。

思うところをいろいろ書きましたが、結論は「ロングストローククランクとショートハイトピストンの組み合わせはリスク大で、少なくとも簡単にはいかない。やめておいたほうが方がむしろ無難」でしょうか。


今後のエンジンの構想と仕様についての詳細は次回に続きます。


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エンジン不調の原因と対策 その1

8/10からお盆休みですが、休みに入った初日に夏風邪で熱出して寝込みまして、ようやく回復してきてこれからがお盆休み本番のみくた52歳です。ええ、台風来てますから何も出来ませんけどね←

半年ぶりのブログ更新となります。理由として本業が忙しかったのももちろんあるのですが、緑ミニのエンジンが絶不調で対策の光が見えず、話としてまとめる気力が無かったというのが実は大きいです。

そのエンジン不調ですが、いくつかの症状が重なったのと、各症状に目が行ってしまってその裏に隠れている真因の特定に時間がかかったのが、解決に時間がかかってしまった原因かと思います。いや、まだ解決できてないんですけどね←

8/24〜25の32FESに向けてエンジン作り直してますので、この半年間の苦悩の歴史と、原因の予想と対策内容についてまとめておこうと思います。この対策が当たっているかどうかを検証するのが32FESですね・・・32FESの後で更新がまた止まったら、ああ対策外したんだなと思ってやって下さいw

エンジン不調の症状を列挙すると、
1)7000rpm付近でタコメーターが振れてそれ以上回転が上がらない。
2)ファンベルトが外れてオーバーヒート。
3)ダンパープーリーを交換するも再度ファンベルトが外れてオーバーヒート。
4)プーリーの位置調整するも再々度ファンベルトが外れてオーバーヒート。
5)設計ほどトルクが出ない、当然パワーも出てない。

てな感じになります。ウンザリしますねw

実は更にもう1つ「1番4番気筒で深刻な失火」という症状もあったのですが、これはコンピューターのパンクが原因でした。これも深刻なトラブルのはずなんですが、割とすんなり原因が特定できたので僕の中ではトラブルにカウントされておりません。でも上記のトラブルと時期が重なって絶妙に真因特定を邪魔してくれた事に対する恨みはありますw

話を戻しますが、これら5つの症状は一つの原因から発生していたと考えてます。というかようやくそこに考えが至りました。まずは時系列で順番に紹介しつつ、その時々の考察を書き綴らせて頂きます。



緑ミニに今の仕様のエンジンを搭載して初めて走ったのが2018年10月27日の成田モーターランドでの走行会でした(こちら)。
この時はエンジンもトルキーで上手くチューニングできたと思っておりました。トルクに負けてクラッチが滑っておりましたので、フライホイールとクラッチを高年式タイプに交換し、11月25日のSBoM最終戦に臨みました。

SBoM最終戦(こちら)では、予選前にまずはフリー走行枠で走ったのですが、その際に7,000rpm付近でタコメーターが振れる症状が出てそれ以上回転が上がらなくなってしまいました。7,000rpmを中心に6,000〜8,000rpmの目盛りの間をメーターの針が振動するという症状です。ハンチングっぽいのですがエンジンからの振動は感じませんでしたので、この時は「安全策でP師がレブリミッターを下げすぎたのかな」と思っておりました。
ところが、フリー走行後に確認したらレブリミッターの設定はきちんと8,500rpmになってまして、当てが外れてしまいました。ここで原因不明のまま「もう一度走って様子を見よう」と判断したのが運の尽きで汗

続く予選でも同じ症状が出たのですが、悩みながら走っていたその数周後にファンベルトが外れてエンジンがオーバーヒートし、リタイヤしました。オーバーヒートに気がついたのは最終コーナーでスピンしたのがきっかけなんですが、実はラジエターから吹いた冷却水を左後輪が踏んでしまったための自爆技でした。

水温が120℃を超える(メーター振り切れていて実際にどこまで上がったのか不明)という結構酷いオーバーヒートで、正直言って「早々にエンジン壊しちゃったな」と覚悟しましたが、SVでチェックした結果、ヘッドやブロックに歪みは無く再利用可能と判断されなんとか九死に一生を得ました。
ヘッドやブロックの歪みは局所的な温度変化が急激に入ることで生じますから、ヘッドガスケットがしっかりしていてヘッド周辺から水を吹かなかったのと、慌てずに自然放熱でゆっくり冷却したのが良かったのかもしれません。これも貴重な体験でしょうか汗

43851555m_20190814231510560.jpg

タコメーターの針が振れる症状の原因です。

症状自体はハンチングっぽいのですが、エンジンからの振動が無かったので点火系の問題ではなく、レブリミットといった制御の問題でもなかったことから、おそらく検出系の問題だろうと当たりを付けました。

IMG7293m.jpg

で、クランクプーリーに取り付けた回転角センサーを確認したところ、見事に削れておりました。

ギア自体のセンターがズレてはいなかったことと、症状が7,000rpm前後の高回転域だけで起きていたことから、おそらく高回転域でダンパープーリーがブレて断続的に回転角センサーに当たり、センサーが回転を正常に拾えなくなってタコメーターの針が振動したのではないかと考えました。
オマケに、と言っては何ですが、ファンベルトはダンパープーリーに掛かってますので、ダンパープーリーが異常振動すればベルトも強制的に振れるので外れることもあり得るのかもしれない、とも考えました。

検証としてアクセル踏んで7,000rpmまでブリッピングしてやると、ダンパープーリーは輪郭が霞むような感じで振動し、それに連動してファンベルトのフォロー側(クランク〜オルタネータ間の車体前側から見た部分)が最大で1.5cm程振れてましたので、ダンパープーリーが振動しているのは間違いないと考えました。ただし、この程度の振れでファンベルトが外れるか?というとそれはまた別の問題のような気がしましたが。

おまけに、実はダンパープーリーの振動自体は単なる症状であって真因ではないんですよね。そして真因としては、ダンパープーリーの設定を超える大きさの異常振動がクランクシャフトに生じたということになるのですが、この時はそこまで考えが至らず、対処療法に留まってしまいました。

IMG7345m.jpg

で、対処療法として用意したのがMED製のダンパープーリーセットです。
ダンパープーリー(写真左側)とピックアップ用のギアが掘られたプーリー(写真右側)がセットになってまして、

IMG7340m.jpg

組み合わせるとこんな感じになります。

IMG7399m.jpeg

エンジンに組むとこんな感じです。

ベルトが掛かるプーリーの溝部分を中心に、エンジン側にピックアップギアが、外側にダンパー機構が設置されるので、仮にダンパーが振れたとしてもピックアップセンサーに干渉しないような位置関係になってます。同じような悩みが元になって作られたのかな、と想像してしまう形状ですねw

IMG1369m.jpg

こうして万全の体制(?)で2019年SBoM初戦を迎えたのですが、

IMG0502m.jpg

あえなく数周で撃沈(涙)。

いや、タコメーターの針の振れは期待通りに無くなったんですけどね、エンジンが高回転まで吹けるようになったおかげか、ファンベルトが外れるのも早かったです。
おまけに自分が吹いた冷却水に乗っての最終コーナーでの自爆までもきちんと再現してしまいまして、大変に肝が冷えました。

ともあれ、ファンベルト外れに関してはダンパープーリーが原因ではないことがはっきりしたわけですが、では「プーリーの振動」という症状の奥に隠れている「真因」は何かっていう話になります。その時に考えた要因は以下のようになります。

・フライホイールとクラッチを交換してから症状が出ているので、フライホイールのバランスが取れていない。
⇒ クランクおよびフライホイールは単体でバランス取り実施したので組み合わせても問題ないはず。それにフライホイールのバランスが取れていない場合の振動はもっと酷い。

・1番4番気筒で失火がひどい。失火によって爆発が不等間隔化してクランクが異常振動。
⇒ 失火の原因はコンピューターの不調であることを特定。デスビに戻す。

・クランク、ウォーターポンプ、オルタネータの各プーリーの位置が最大で5mm程度ずれている。
⇒ 一般的には問題ない範囲だが、念のため調整。

そんなわけで、点火系をデスビに戻し、プーリーの位置を合わせて再トライしました。

IMG0598m.jpg

デスビに戻したことによって失火の症状がなくなり、かなりトルクは増しました。これで行けるかな〜っと期待したのですが現実は厳しくて、またもやベルトが外れてオーバーヒート。予選リタイヤです。

3度目ともなると水温計の変化にも敏感になり割とすぐに気づけたのは不幸中の幸いでしょうか←



デスビに換えてトルクが増したと書きましたが、それでもこんなレベルなんですよ。

上の比較動画は同じ時期にSVで作ったMRRC70号車とバックストレートでの加速を比較したものです。
スペックは、僕の緑ミニが1,440ccで車重630kg、MRRC70号車が1,380ccで車重570kgという違いはありますが、カム、ヘッド、減速比、排気系はほぼ同一仕様になります。

パワーが出てないのは自覚していたのですが、こうやって並べてシフトタイミング等を比べてみるとあまりの違いに愕然とします。
ちなみに最高速で比較すると、MRRC70号車が156km/hrに対して緑ミニは140km/hrです。ちなみに1,075ccだった赤ミニでも145km/hrでしたから、赤ミニの方がまだ速い程なんですよ。「排気量に勝るチューニングなし」のはずなのにおかしいですよね。

これ程の差が何故生じてしまうのか、成田ではトルクフルなのに筑波では何故ダメなのか、一向に直らないファンベルト外れの真因は何なのか。

次回に続きます。


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プロフィール

みくた

Author:みくた
運動神経のなさを経験値でカバーしようと企むAround 40です。
これまでランエボでのサーキット走行にハマり、最近はClassic MINIに惚れ込んでます。Mini1000、1300キャブクーパーとおんぼろミニを乗り継いで、Austin Mini Mk1 に辿り着きました。レストア、トラブル対策とのんびりドライブを楽しんでます。
よろしくお願いします。

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