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エンジンブロック加工詳細

エンジンブロックがJUNオートワークスでの加工を終えてSVに帰ってきてまして、既に組み立て作業が始まっているようです。残念なことに今週末は忙しくてSVに行けません。本当は現物見たいんですけどねえ。
SVのプリンミニさんが何枚か写真を送ってきてくれましたのでレポートです。

IMG_0937.jpg

こちらはシリンダーとカジって傷だらけになってしまったピストン(過去記事はこちら)。傷が一番酷かった4番シリンダーのピストンです。

前回のオーバーホール時に、鍛造ピストンの熱膨張を考慮せずにピストン/シリンダー間のクリアランスをノーマル通りの0.05mmで組んだ結果、熱膨張したピストンとシリンダーとが接触して縦傷(スカッフ)がたくさん生じてます。4番シリンダーのピストンが最も酷く傷ついた理由は、オーバーヒートした時に水の廻りが最も悪くて最も高温になるのが4番シリンダーなので、ピストンの熱膨張が一番大きかったためと推定してます。

今回オーバーホールするに際してピストンの交換も考えたんですが、あえて再使用することに決めました。新品ピストンには成形時に冷えて固まった時の歪みが残ってまして、実際に使って一度熱を入れて歪みを解放したピストンの方が形状が安定化していてチューニングには有利なんです(「歪み戻り」と言います)。
しかし表面が傷だらけのままでは、シリンダーのホーニング量を決めるために必要な正確なピストン直径が測れません。そんなわけでJUNオートワークスにラッピングをお願いしました。

IMG_1082.jpg

ラッピングの作業内容としては、ピストン表面の縦傷の左右の盛り上がったバリ部分を削ってシリンダー本体の直径が出るようにする作業だと聞いてたんですが、できあがってきたピストンは写真で見る限りではずいぶんキレイになっているような?w
この状態で最も直径が大きいスカート部分の縦方向の直径を各ピストンそれぞれ測定し、鍛造ピストンの熱膨張挙動を考慮した上で、各ピストンの直径に合わせて各シリンダーのホーニング量を決めてます。JUNオートワークスが出した結論はクリアランス0.08mmでした。

IMG_1083.jpg

ツールを使ってピストンリングを元通り組み直します。

IMG_1084.jpg

これだけキレイに研磨すると、逆に各ピストンで重量バランスが取れなくなるのではないかと心配になるんですが、さすがJUNオートワークス、きっちり揃えてくれているようです。

IMG_1088.jpg

リング圧縮ツールを使ってピストン組み込み。

IMG_1090.jpg

コンロッドをクランクシャフトに締結してピストン組み込み完了。

IMG_no1.jpg

1番シリンダーの状態。キレイです。

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2番シリンダーの状態。キレイですね。

IMG_no3.jpg

3番シリンダーの状態。うっすらと縦傷残っているのかな?

IMG_no4.jpg

最も傷の深かった4番シリンダー。キレイになりましたけど完全には縦傷を取り切れませんでした。

完全に取り切るには更にオーバーサイズのピストンを使ってボーリングからやり直す必要がありますが、今既に+40(約1mm)のオーバーサイズピストンを使っているため、更にオーバーサイズというと+60(約1.5mm)しか残ってないんですよね。それやってしまうと後がない。チューニング的に崖っぷちになってしまいますw
そんなわけで+40サイズピストン継続、わずかに残った縦傷はガマンという路線に決まりました。圧縮的には問題ないと思います。

IMG_1114.jpg

1番シリンダーをアップで。
斜めに細かく入っている傷はクロスハッチと言って、オイル皮膜をシリンダー壁面上に形成するために必要なホーニング時の処理です。このクロスハッチの角度や細かさも用途によっていろいろノウハウがあるんだそうです。奥が深いです。

DSCN3941.jpg

次はリフター穴へのスリーブ再打ち込みとクリアランス調整です。クリアランス調整のため、組み込むリフターもナンバリングしてJUNオートワークスに送付しました。ピストン/シリンダーと同様に、リフターを一つ一つ採寸してそれに合わせて各リフター穴のホーニング量を決めてます。

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左から1番2番シリンダーのリフター穴。

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同じく左から3番4番シリンダーのリフター穴。

先回のオーバーホール時には同じようにスリーブを打ち込んだもののスリーブ上端が上に突き出ていて、それが原因でリフターの潤滑不良が起こり異常摩耗するという悲劇がありました。しかし今回はスリーブ上端が上に飛び出すことなくきちんとできてます。
スリーブの材質はリン青銅を選択しました。一般的なバルブガイドに使われる材質ですが、リフターはバルブとほぼ同じストロークとスピードで動く部品なので、適切なクリアランスと潤滑さえ確保できていればこの選択がベストかと思います。
クリアランスは各リフター0.04mmで調整しています。おそらくここのクリアランスの設計値は0.04-0.05mmで、限界値としてはノーマルの中古ブロック実測の経験から0.08mmあたりかと思います。そんなわけで無事初期化できました。
ちなみに先回オーバーホールした時の実測値は0.06-0.09mm、潤滑不良で半年走った後のクリアランスが最大で0.24mm、潤滑を改善してリフターを新品に交換して更に3ヶ月走った後が最大で0.30mmでした。それらの値と比べるとようやく安心できるようになったかなあ。

ここのトラブルはあまりにも繰り返したために個人的にかなりトラウマになってます。そのため摩耗の予防対策として今回は更にリリーフバルブを強化して油圧を上げ、リフター周辺への油量を増やす予定です。

IMG_1099.jpg

拡大するとこんな感じ。こんな小さな穴でもきちんとクロスハッチ加工されてます。

IMG_1078.jpg

カムシャフトベアリングの穴を通して斜め下から見たスリーブ下端の状態。
見事に揃ってます。これだけの精度でできるのならば、首振り防止で下方向にもう少し突き出すという手もあったかもしれません。

IMG_1095.jpg

もう一つの加工項目。カムシャフトベアリングの打ち直しです。これはタイミングギア側のベアリング。

IMG_1098.jpg

センターベアリング。

IMG_1096.jpg

オイルポンプ側のベアリングです。こんな感じでブロック加工は無事完了しました。


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No title

みくたさんがトラウマになっているリフター部分ですが
オイルの潤滑、クリアランス共にクリアーしたと思います。
みんなで考えて行動したわけですから!
これで絶対に大丈夫ですよ!
気持ちはミニディに向けましょうi-185

No title

プリンミニさん、どうもです。

スゴイ勢いで組んで頂いてるみたいですねw ありがとうございます。
ミニディ参加できそうな気がしてきました。楽しみにしてます。

No title

まつとしです。お久しぶりです。

はたしてミニデーに間に合うのか間に合わないのか、いよいよ盛り上がって来ましたね~。
僕もミニデーには行く予定です。赤いAustin Mk1を見かけたら声を掛けさせてもらいますね。

あッ。まだ前売り券も買ってなかった・・・

No title

まつとしさん、どうもです。

まつとしさんもミニディ参加されるんですね、会えると楽しいですね。
これで3年連続ミニディ直前オーバーホールで、これまで1勝1敗です。
今年はどうなるのかw ミニ復活を祈ってください。
プロフィール

みくた

Author:みくた
運動神経のなさを経験値でカバーしようと企むAround 40です。
これまでランエボでのサーキット走行にハマり、最近はClassic MINIに惚れ込んでます。Mini1000、1300キャブクーパーとおんぼろミニを乗り継いで、Austin Mini Mk1 に辿り着きました。レストア、トラブル対策とのんびりドライブを楽しんでます。
よろしくお願いします。

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