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キャブセッティング

ネタ的にはアバルトカップの前の週に遡りますが、吸気/点火系モディファイに合わせてキャブを再セッティングしたので記録として残しておきます。

セッティングはSVご意見番/テクニカルアドバイザーの大川光一さんにお願いしました。大川さんといえばトラストで有名ですが、トラストの前には実は日英自動車に勤めていたこともあるそうです。超硬派ヘビー級チューニングマシーンのイメージのある大川さんですが、意外なところにミニとの接点を発見できました(ただし日英ではアメ車担当だったそうです。当時のアメ車は怖いお客さんが多かったそうで、キャラ的に、だそうですw)。
現在は引退されて、これまでの経験を活かして個人として技術相談を受けるテクニカルアドバイザーとしての仕事をされてます(HPはこちら)。

今回のエンジンオーバーホールでは、リフター穴の難しい加工やシリンダーのホーニング加工によるクリアランス調整などについても相談に乗って頂き、実際の加工に際しては大川さん自らエンジンブロックをJUNオートメカニックに持ち込んで頂いて話を付けてもらったりと、多岐にわたってご協力頂いてます。
キャブのセッティングに関してもオーバーホールの最後の重要なポイントだったわけですが、アバルトカップに間に合わせるために突貫でエンジンを組み上げたため、実際にキャブセッティングできたのは本番前日の土曜日でした。全国的に暴風雨だった日です。その悪いコンディションの中できっちりセットアップして頂きました。感謝してます。

本当はセッティングの過程とか付きっきりで見ていたいくらいなんですが、なんせ遠いし時間が合わないのでお任せになってます。遠距離恋愛のようなもどかしさですねw

IMG_2090.jpg

今回のモディファイでは、吸排気効率改善を狙ってロッカーアームをレバー比1.5のハイリフトタイプに交換したのと、それによって逆に低回転側のトルク低下が懸念されたため、そこを改善するために点火系をMDI+同時点火システムに強化しました。

これらの変更によって吸排気特性や燃焼特性が変わるのでキャブの再セッティングが必要になるわけですが、せっかくプロにセッティングをお願いするならばベストな状態でやって頂きたく、この機会にいろいろ仕込みました。

P1060203.jpg

こちらは変更前の状態。ラムフローのエアークリーナーを付けてます。
吸気抵抗をできるだけ減らしたくて角度の浅いスワンネックのマニホールドを使っているんですが、その結果キャブ本体がバルクヘッド側に押し出されるのでエアクリーナーのスペースがなくなるという欠点があり、この限られたスペースに収まりそうなエアクリーナーがこれしかなかったのでした。ただ、このエアクリーナーは吸気抵抗がかなり大きいんです。

DSCN2307.jpg

もう一つ変更前の状態。ラムフローを外したところですが、ファンネル無しでいきなりキャブの吸気口になってます。これだと高回転で吸気流速が大きくなった時に入り口部分で乱流が生じて抵抗になってしまいますし、キャブ内部を流れるエアーが層流にならないために燃料がキレイに霧化されません。

P1060201.jpg

そんなわけでパイパークロスのエアクリーナーとウエバー用のエアファンネルを購入。ただしこの選択は大失敗でw、写真に写っている長さ45mmのエアファンネルはスペースが足りなくて取り付けできませんでした。

パイパークロスのエアクリーナーは、スポンジが厚くてラムフローよりも吸気抵抗が大きそうに見えるんですが、スポンジの連続気孔率の割合や表面積の大きさの相乗効果で低い吸気抵抗を実現してます。しかも実際に組んだ状態ではファンネルの周囲に十分な広さの空間が確保できるのでファンネルに沿った吸気の流れを乱さず、特に高回転域での吸気抵抗低減と霧化効率向上に役立っています。実際、付けた時と付けてない時とでキャブセッティングがほとんど変わらないそうで、本格的にキャブセッティングするならば是非使ってみたいと思ってました。

P1060202.jpg

長さは失敗しましたがw、このシリーズのファンネルはアルミの削り出しでできていて、滑らかな良い形状してます。

P1090419.jpg

そして今年の夏の宮ヶ瀬ミーティングのフリマでKentaさんから長さ20mmのファンネルを購入。それからさらに4ヶ月経ってようやく出番が来ましたw

P1090827.jpg

横からですが、ウェバーにファンネルを取り付けた状態です。ファンネルの取り付け部の筒状の部分がウエバーキャブの中まで入り、ちょうどアウターベンチュリ部分まで届くようになってます。キャブ内部の段差をなくして整流する効果があります。よく考えられてます。

P1090825.jpg

パイパークロスをセットした状態。ファンネルの傘の部分に引っかかっている感じです。

P1090826.jpg

反対側はややスペースが厳しいかw きちんとセットするにはバルクヘッドを切って加工する必要がありますが、そこまではやりたくないのでこれでガマンです。

とまあ、ここまで基本を整えた上で大川さんにセッティングをして頂きました。

sv148.jpg

今回交換したジェットです。セッティングデータは以下の通りです。

アウターベンチュリ−:34mm
アイドルジェット:45F8(2009年10月)→ 50F8(2010年11月)→55F8(今回)
ポンプジェット:50 → 55(今回)
エアージェット:230
メインジェット:160
エマルジョンチューブ:F11

その他にはフロートの液面が下がり過ぎで全体的に吐出量不足になっていたそうで、そこを調整していただきました。また、アクセルを踏み込んだ時の吐出量をもう少し稼ぐために加速ポンプのジェットを一回り大きくし、低回転のバランスをとるためにアイドルジェットも大きくしていただきました。高回転側は増えた流速に対応できるだけの吐出量が確保できていたためにジェット的には現状維持です。

運転してみた印象としては、アクセルをパーシャルから少し踏み込んだ時のラフさ(少し遅れてからガオッという)が無くなり、アクセルコントロールが抜群にやりやすくなりました。今までウエバーだからパワーが出る代償としてラフなのは仕方が無いと思っていた部分が解消してびっくりしてます。音はさらに猛々しくなりました、知らない人が乗ったらトルクといい音といい、1,000ccだとは誰も思わないでしょうw

この状態でアバルトカップで3位入賞し、パワーチェックしてねらい通りの70馬力を達成して大満足してましたが、もう少し改善できる可能性が見えてきました(欲張りw)。

何かというと、どうも高回転で少し失火しているようなんです。前回の記事でパワーチェック中に断続的に黒煙が出ているのを見た大川さんから指摘を頂いて気がつきました。失火はおそらく点火不良から来ているわけですが、MDIしかも同時点火システムを組んで失火ってどういうこと?と最初は思いました。しかしよくよく考えてみるとおそらく電流供給不足かな、と思い当たりました。オルタネータの容量が35Aなので、高回転で点火回数が増えるとチャージが追いつかなくなっているのではないかと思います。失火によるロス分を解消できればその分パワーを稼げるはずなので、オルタネータの容量アップを考えてます。

もう一つの改善ポイントとしては、トルクが下から十分出ているので、アウターベンチュリの径をもう一回り大きくしても良いかな、とも思ってます。ちなみに、最大出力回転数に合わせたベンチュリ−径の選定方法の目安として以下の式が知られてます(三国工業のキャブセットアップマニュアルにあるそうです)。

D=0.82√(C・N)、d=0.65√(C・N)
D:キャブ口径(mm)、d:ベンチュリー径(mm)、C:気筒容量(cm3)、N:最高出力回転数(1000rpm)

この式を使って現状の34mmというアウターベンチュリ径と1030ccの排気量とから最大出力回転数を逆算すると5,300rpmになりますが、今回明らかになった最高出力回転数は約7,000rpmでちょっとギャップが大きいんです。36mmならば6,100rpm、38mmならば6,800rpmになり、7,000rpmの最大出力点に対してロスの少ないセッティングになるはずです。現実にはベンチュリを大きくしすぎると低回転で逆に流速が低くなりすぎてトルクが細るリスクがあり、そこのバランスをとる必要があるのですが・・・、また大川さんに相談しますw

来週末にエキマニ交換のために再入院するので、その時に見ていただく予定です。
楽しみが増えてラッキー ←超楽天家w


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こんばんは!英Ω鉄です。キャブのセッティングは、非常に奥が深いですね。実は、趣味!?で色んなキャブ持ってます。(持って無いキャブもありますが…。)SUツインからスプリットまで中古で良ければレンタルしますよ。

No title

英Ω鉄さん、どうもです。

キャブのコレクションとはまたディープな趣味ですねw
スプリットはボディ加工しないと入らないしw、しかし一つの理想型ではありますね。
憧れますが今はウエバーだけで精一杯です。ありがとうございます。

No title

あ~ ファンネル ずるいw
私も一度大川氏にセッティングみていただこうかな。

当時のアメ車のお客が怖い人が多い にはうけましたw

No title

スプリットWB、ボディ加工無しでも付いてるのありますね。
ところでWBの構造上、油面って最も重要ですよね。
なのに人によって言う値が違ったり、計測用のガラス管の目盛りが全然合ってなかったりして困りますw

No title

みくたさん、おはようございます。
今のを基本として一回、体で感じて頂きパワーの出方を上に持って行けば最大馬力は上がって
来ると思います、後はギャー比と乗り方を聞いて合わせて行くとベストですね、シフトUP時回転が落ちた時のパワーバンドを気にして走るか、今回は街乗り、峠(特に登り)ミニサーキットを考え
ましたが、高回転域での伸びの快感とか、筑波サーキット,富士スピードウェーでは違ってくると
思います、4速T/Mのギャーのつながりと乗り方を聞いてユーザーに合ったセッテングか可能
ですね、一般車の様に低回転と高回転で吸気の環境を変えられれば良いのですが、車側では
出来ないので乗り手側で車をホローして貰うしか無いですね、でもそれがミニ乗りこなす事のに
なり車との一体感になり車の大小問わず楽しい所ですね、これからはチョット愚痴です(笑)最近の高性能車は、いたでりつくせり腕は無くても金さえ有れば乗りこなせる、そういう奴が能書きを言うのが納得がいかないですね、以上愚痴でした(笑)、今回の車の状態を感じて頂き次に
セッテング変えた時の評価を下さい、とても参考に成ります。                                                                                                     

No title

キャブのセッティングは奥が深くて面白いですね。私も同じような仕様のキャブですがこれでいいと言う事がないですね。みくた号どんどん進化していきますね。楽しみです。

No title

ファンダンゴさん、どうもです。

ファンネル先にやっちゃいましたが、ウェバーの音が更にワイルドになってオススメですw
大川さんに見てもらってチューナーによるセッティングの違いを体感してみるのも面白いですよ、きっと。
当時はベンツよりもアメ車だったんでしょうかねえ。あるいはその筋の人にもアメ車派があったのか。スーツ系と武闘系で好みが違ったりとかw

No title

Kentaさん、どうもです。

加工なしで付くスプリットあるんですか。でもエアクリーナーまでは無理っぽいですよね。
フロートの液面が大事って実は知りませんでした。奥が深いですね。

No title

大川さん、どうもです。

今回セットアップしていただいて街乗りから峠まで抜群に乗りやすくなり、キャブチューニングは奥深いなあと感じましたが、そういうねらいでセットアップしていただいてたんですね。なるほどと思いました。
そうすると少し高回転寄りに振ったセットアップも魅力的に感じます。低回転は少し扱いづらくなってもむしろ今までよりも楽なんではないかと。アウターベンチュリの変更含めてそういう感じで次回お願いできないでしょうか。

No title

パディさん、どうもです。

本当はやり方覚えて自分で触ってみたいんですが、センスも自信も無くてw
身近なところにベテランの方がいてくれて本当にラッキーです。良い経験させていただいてます。

No title

みくたさん、こんばんは。
了解しました。
プロフィール

みくた

Author:みくた
運動神経のなさを経験値でカバーしようと企むAround 40です。
これまでランエボでのサーキット走行にハマり、最近はClassic MINIに惚れ込んでます。Mini1000、1300キャブクーパーとおんぼろミニを乗り継いで、Austin Mini Mk1 に辿り着きました。レストア、トラブル対策とのんびりドライブを楽しんでます。
よろしくお願いします。

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