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足周りの整備その2

3/1の筑波SBoMや3/15の袖ケ浦TBCCにて足周りに違和感があったのでフロントとリアのハブを整備しました。既に報告済みのフロント編(こちら)に続いてリア編をお届けします。ちなみに5/17のSBoM第2戦で既に実戦テストを完了しておりまして全く違和感無し、すなわちパーフェクトな状態に戻っております。

・・・パーフェクトにも関わらず勝てなかったんですけどね(涙)

自虐ネタは置いておいて本編です。

フロントハブのガタの原因はユニバーサルジョイント先端のネジ山のつぶれによるクラウンナットの締め付けトルク不足と、それによって誘発された軸の摩耗でしたが、リアハブには一体どんな要因が潜んでいるのでしょうか。リアハブはフロントハブよりも構造がシンプルかつ負荷も少ない故に、一般的にはガタの発生につながるような要因はハブベアリングの摩耗以外にはあまりありません。そしてハブベアリング自体は年末の整備でSVにて交換しているんですよね。

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作業はフロントハブの時と同じく名古屋市のC.C.Oさんにお願いしました。今回はあらかじめ電話でお願いしておいたのでリフトが確保されていますw

赤ミニのタイヤを手で揺すってみた限りではガタは許容範囲で、あえて言えば右後輪のガタが少し大きいかなという状態でした。先回のフロントに引き続き今回も分解して徹底的に調べることにしました。

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リアのハブは2013年の夏にミニスポーツのアルミ製の軽量タイプに交換してます(こちら)。

真ん中の黒いキャップ(なんとこのハブ用の専用品!)を外し、クラウンナットを外せばハブは取り外すことが出来ます。

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じっくりと様子を観察しながら分解していきます。

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まず最初に気がついたポイントしては、グリースがモリブデングリースのようになってしまっていることがありました。この部分には一般的にはモリブデングリスは使わないので、削れた金属粉が混入してモリブデングリース状になってしまったのでは?とのことでした。

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もう一つ気がついたポイントとしてはハブの内側に打ち込んであったベアリングレースが簡単に外れたことでした。

上の写真はハブの表側と裏側から一対のレースがハブ内部に圧入された状態です。赤いアルマイト処理されたハブの内側で銀色になっているリング状のパーツがベアリングレースです。圧入されているので普通は取り外すのも組み付け直すのも大変なんですが、ドライバーの先端でコンコンとつついたら外れてしまったのでした。

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取り外したパーツを洗浄してから並べ、現場検証します。

実はこの写真に答えが写ってますが・・・分かる人って居るでしょうか?

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取り外したベアリングレースです。傷も摩耗も無くキレイでした。

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ベアリングレースを取り外したリアハブ本体で、右側のリアハブです。

ベアリングレースが当たっていた奥の部分のアルマイト処理が削れて無くなり、銀色のアルミ地が出てしまってます。

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内側も同じようになってしまってますね。

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左側のリアハブでは、外側はまだアルマイト処理された表面が残ってますが、

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やはり内側の奥の部分が削れてアルミの地が出てしまっています。

状況検分に基づいて推測されるガタ発生のメカニズムは、おそらく以下のようになります。

1)流通しているベアリング自体の質の低下があり、特にレースの厚さが薄くなってきている。

2)そのため、以前はクラウンナットを締め切ることでベアリングごとハブを固定していたが、今はそこまで締めるとハブが回らなくなってしまうので、締め切ったところから少し戻して固定している。つまりハブベアリング自体のガタ(軸上の遊び)をある程度許容せざるを得ない状態になっている。

3)軸上の遊びを許容した状態でアルミ製のハブを使うと、過大な入力を受けた際に軸上の遊びの範囲でベアリングレース自体が動いてしまい、ハブ奥のスペーサー部分を削ってしまう。

今回の症状では右側のハブの方が左側よりもガタが大きかったですが、左側は内側のみ摩耗していたのに対し、右側では外側と内側の両方が摩耗していました。ガタの大きさと摩耗の程度が対応しており、これが原因と考えています。

4)その結果、軸上の遊びが更に大きくなってベアリングの摩耗を加速してしまう。

・・・てな感じでガタ拡大の悪の無限サイクルに陥るのではないかと考えてます。

今回の観察ではレースが突き当たる部分の外周部は摩耗せずに残っていたので、レース自体がハブ内部で自由に左右に動ける状態までは行っていなかったと思ってます。ただ、レースの当たる裏の部分は削れてしまっていたので、ハブ内部でのレース自体の支持剛性がかなり落ちてしまっていて、それがタイヤの微妙なガタとなって現れたのでしょう。

ともかくアルミ製リアハブですが、僕の使用環境では1年半の短い寿命でした。

サプライヤの名誉のために申し添えておくと、サプライヤからするとこれは無理難題な話です。そもそものノーマルハブの設計値にあわせてハブを設計しなくてはならないのに、現実に供給されるベアリングの仕様が設計値と違うんですから。更にはそんなベアリングを使ったとしてもノーマルの鋳鉄製ならば摩耗せずに済みますが、アルミ製は耐摩耗性の低いが故にこういう問題につながってしまったわけです。

対策としては、最近のベアリングの適正な幅に合わせてハブの奥のスペーサー部分を削り治し、きちんとクラウンナットを締め切った状態で機能するようにすること、あるいは耐摩耗性の優れた素材に切り替えること・・・例えばチタンとか(汗)・・・等がありますが、

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僕の場合はサクッとノーマルに戻すことにしました。この手のパーツは耐久信頼性が第一要件かと思いますので。

C.C.Oさんのコレクションの中から程度の良い中古品を選び、洗浄および塗装した上で組ませて頂きました。

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念のためにベアリングも新品に交換しました。

何社から発売されているベアリングをそれぞれ手に取って比べさせて頂いたのですが、確かにレースの厚さが各社で違ってしまってました。その中から一番厚いものを選んで赤ミニに組みましたが、それでも中古のハブの中に残っていた摩耗しまくったベアリングのレースが一番厚かったんですよね・・・これも今のミニ業界の厳しい現実なんでしょう。

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リアブレーキ周辺は昨年末にOHしたばかりなのでキレイなもんです。

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ベアリングを組み直したハブを組み付け、

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クラウンナットを締め切ったところから少し戻して、ガタと回転抵抗を天秤にかけて妥協点を探ります。嫌な世界ですw

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アルミハブ専用のカッコいいセンターキャップはもはや使えないので、ベコベコに凹みまくったセンターキャップを探して再利用しています。諸行無常ですw

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アルミ製ドラムを戻します。見てくれは全く変わらないのが寂しいところですw

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近所を一周して異常が無いことを確認して作業完了です。

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全然関係ありませんが、隣のお店はハーレーとビモータを扱ってました・・・マニアックなエリアですw

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この日は自宅までの下道をドライブして様子を確認し、その後は松阪までロングドライブしたりして十分慣らし運転し、万全の状態で4/29のアバルトカップを迎えたのですがクラッチトラブルで走れず(涙)

そんなわけで足周りのOHの効果の確認は5/17のSBoMまで待つ必要があったのですが、全く違和感なく攻めることが出来ました・・・足周りに関しては、ですが(涙)

何か祟られてるのだろうか?そうは言っても一つ一つ問題を顕在化させて潰していくしか手はないんですよね。

今回得た教訓は前回と同じく、いや前回以上の執念をもって、

「左の頬を打たれたら右の頬も、更には尻も差し出す」

・・・両輪に似たような負荷がかかっているはずですので、片側がイカレたらもう片側も、そしてついでにリアも見ておくべきですね。

8月の富士で悔いなく走れるようP師共々全力を尽くそうと思います。大事なことなので何度でも言わなければw



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ハブベアリング

みくたさん
こんばんは。ハブベアリングの中でもテーパーローラーの場合は必ずオリジナルTIMKEN(ティムケン)を選ぶ必要があります。
現在のROVER純正パックの中身はもはや社外品が入っています。ここがミニ業界の問題点でもありトラブルの元にもなってます。

さらにTIMKENも色々な国に工場があり交差が若干ばらつきます。あとボックスブランドごとにTEMKENに対するOEMオーダー要綱にも少し差が出ます。つまり最終精度になります。

それからリヤハブベアリングは同じテーパーローラータイプでも昔のタイプ(つまりS用)と1984年以降のディスク車両用では規格自体はおなじでも実はほんの少しだけ違います。
アウターレースは同じですがインナーレースの意匠そして品番が微妙に違います。これはラジアスアームのアクセルシャフトとの相性を加味して変更されたものです。

ですから厳密に言いますと、古いラジアスアームの車両には(入手しにくいですが)当時物の純正ベアリングセットが相性が良いということになり、耐久性および寿命もながくなります。



色々工夫を凝らせば現行のベアリングでも旧車両に組み込んで問題はないのですが、先の注意点は守って仕様の違いがあることをプロメカニック側が前もって認識しておくことも大事かなと思います。
また本来はサプライヤーはそれを熟知したうえでパーツを輸入販売したり、さらにリヤハブをアルミ合金で造るなら純正標準設計とアルミで作るときのデメリットも含めて交差方向(プラスorマイナス)も考えるべきです。
レースパーツは軽ければいいというものではなくトラブルを起こさない耐久性を考慮したうえで作るべきですしね。

実はフロントハブベアリングはもっとややこしい問題があって説明しだすとかなり長くなりますのでそのうちウチのブログで書こうと思います^^;

いずれにせよ様々なパーツが出回る現在、できるだけ多くを知っていてその中から最良の物を見切れる知識をつけて最善の方法を取っていくのがベストですね。もちろんこれは業者の仕事です。

オーナーの方はそういう総合力をもったショップ・ファクトリーとうまく付き合って行くことがミニを大事に長く乗るために必要な要件かと思います。


とてもタイムリーなお題、サブジェクトだったのでできるだけ多くの人に知ってほしいと思い今回はメールでなくこちらに投稿させていただきました。

私もこの話題を書こうと良く思ってブログとか書き始めるんですが、あいかわらず話が飛んでしまって^^;最後はいつもアレレ?な感じです(笑) 
いつもながらキッチリと検証しての記事はとても気持ちよく楽しく読ませて貰ってます。それでは。

No title

[お詫び] 上記の投稿中、「交差」は→「公差」で読んでください~^^;

コメントありがとうございます!

スクイさん、どうもです。
わー、まさかスクイさんにコメント頂けるとは! 感激です!

何が起こったかは観察を元に考えることが出来るのですが、どのハブベアリングがベストかは分かってないんですよ。それと、ラジアスアームのシャフトの根元の形状が違うことには気がつきましたが、それがどう影響するかまでは考えが及びませんでした。またアドバイスの程、お願いいたします!

今回の案件はハブベアリング自体の変化が周辺のパーツに悪影響した例かと思って書いてみました。性能的に良かれと思ってパーツを選んでも予想外の事態って起こりうるということが身に沁みて分かりましたので。

パーツ選び、奥が深いですねw

なるほど~(・・)

ノーマルより良くしようと思いした事が・・
こんな結果になるとは(。。)_
クランクメタルでもそうでしたが・・ハブベアリングもですか(> <)
クラッシックMiniは自分でDIYする方が多いと思いますが
なにげに難しい車だったんですね~(汗。
エンジンと足回り(可動部)はプロにお任せした方がいいですねw
しかし。。こんなにマニアックな車だとは。。知らなんだ~(・・)

PS
スクイさん、お久しぶりです。昨年の宮ヶ瀬レイクサイドで10インチディスクとブレーキパッド購入させて頂き、お世話になりました(^^)
今はSVさんにお世話になり、MRRCにてレースなど活動させて頂いてます(^^)v
フロントハブベアリングのややこしい?話、楽しみです。新古折中にて
拝見させて頂きますw

No title

みくたさん
>パーツ選び、奥が深いですね
あるいは夜が深~いとも言いますね笑

KADハムさん
あ、お久ぶりですね(^_^)
今年も宮ヶ瀬レイクサイド来られるようならぜひ寄ってください!

パーツ選びの奥深さ

KADハムさん、どうもです。

通販で個人でも何でも手に入る時代ですが、使う側の知識が要求されますね。
僕みたいに身体張って試して失敗して学習するのが一番身につきますよw 致命傷にならない程度で楽しめればいいですねw
っていうか、全てのパーツのクオリティが十分高ければ問題ないのに!とも思いますがw

そういう失敗から得た情報やノウハウが蓄積されているのがショップや商社さんなんですよね。ですからそういった昔ながらの流通ルートにも大きな付加価値があって、相談しながら探す楽しみってのもあると思います。だから僕のブログで全部書いてしまうのもどうかな〜っと悩み中ですw

No title

スクイさん、どうもです。

「闇が深い」だとダークなイメージですが、「夜が深い」だと夏の夜に縁側で夜風にあたりながらビールを呑む素晴らしいイメージが頭をよぎりましたw

悪くない世界ですね!、というのは冗談ですがw、限りなく手探りで、良品を求めて世界中を無限に探さなければならないイメージは納得ですw

パーツ選び・・・

パーツ選びは難しいですね。
良い結果が出れば楽しいですが、その逆は大きな危険を伴います。
 
ネット通販ではイギリス製、日本製、中国製、そしてショップオリジナルなど
様々なパーツを購入できますが、取付けすら出来ないものまでありますね。
自分自身、今回のレストアで大失敗しています。
例えば、有名ショップのカーボンボンネット、FRPトランクパネルは使用できませんでした。
 
取付け前にパーツの確認をしたいという気持ちもありますが、全てをチェックするのは無理ですし
作業が滞ることもしばしば・・・。
自分の目的と希望を的確に、作業される方に伝えてお任せするのが早く確実かな、と思います。
あとは、どう変わったかを自身で把握できればより楽しいですね。
 
そんなMINIの楽しさを細かく伝えてくれるみくたさんのブログに今後も期待しています!
MINIを永く楽しむには・・・、
信頼できるショップ&メカニックの方々、仲間、そして情報交換と勉強が必要と感じています。

No title

こんばんは
前にブレーキの質問をさせていただいたものです。

無事、デルタの4POD×CR4.5J×フェンダーレス(少し出ますが…)でつけることができました。

貴重な意見をくださり、誠にありがとうございました

No title

DAIさん、どうもです。

同感です。

ミニ用のアルミ製リアハブの中にはPCDが狂っていてドラムブレーキのカバーが収まらない粗悪品も流通しているようですよ。見た目が正常だったとしても材料の質までは見ただけでは分かりませんからね、ホント、信頼できるところで買うのが一番ですね。

趣味とは言え確実な道を歩みたいものですw

No title

野々宮さん、どうもです。

デルタの4PODとCRホイール、無事に付きましたか! 良かったですねw

お気に入りの足周りだと近所を運転するだけでもウキウキしますよね〜、お互い趣味人生を楽しみましょう!w
プロフィール

みくた

Author:みくた
運動神経のなさを経験値でカバーしようと企むAround 40です。
これまでランエボでのサーキット走行にハマり、最近はClassic MINIに惚れ込んでます。Mini1000、1300キャブクーパーとおんぼろミニを乗り継いで、Austin Mini Mk1 に辿り着きました。レストア、トラブル対策とのんびりドライブを楽しんでます。
よろしくお願いします。

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