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ヘッドカバー調整とスタッドボルト考察

この週末は起きて食事してビール呑んでは寝るという生活を繰り返しておりました。一日が経つのが猛烈に早いですw

明日起きたらまた楽しい1週間の始まりですよ、嬉しいなあw

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「8ポート化してもMk1のヘッドカバーを使いたい」と、どこかで書いた覚えがあります。それを読んだP師は律儀にMk1のヘッドカバーを使ってくれたのですが、実はここでもいくつか問題が生じました。

ヘッドカバーはヘッド上部に出ているスタッドボルトのうちの2本を利用してカバー上部にある2本のナットによってヘッドに固定されてますが、その際にヘッドとヘッドカバーの間に入れたコルク製のパッキンを押しつぶす形でシールしています。実は当初はこの部分から盛大にオイル漏れを発生させておりました。

ええ、またオイル漏れネタですよw

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原因はこちらのスタッドボルト。

8ポート用のキットに付属していたものなんですが厚くなったヘッドに合わせて微妙に長くなってまして、しかも使われているナットも厚さのある六角タイプでしたので、

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ヘッドカバーの裏側のリブの部分に当たってつっかい棒のようになってしまい、ヘッドが締め切れずパッキンが押し切れないという状況でした。

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反対側も同じ状況です。

R0017381.jpg

そのため一時期は上の写真のような大型のヘッドカバーを装着してセッティングを行っておりました。
まあ普通の光景ですし、悪くないっちゃあ悪くないですが・・・やっぱりMk1のヘッドカバーの方が好きだなあと。

「ヘッドカバーのリブを叩いて凹ませてもいいですか?」という無茶な案もP師から出てきましたがもちろん速攻即答で却下させて頂きました。このヘッドカバーに僕がどれだけアイデンティティを求めているのか、どれだけ心の拠り所にしているのかをそろそろ理解してくれてもいいのにと思いましたよw

そして次に出てきた案というか対策、つまり既にやっちゃった内容が「ぶつかるスタッドとナットだけ元のARP製に戻したら無事に収まりました!」だったのですが、それもちょっとダメ出しさせて頂きました。

何故かというとですね。

ヘッドは常に燃焼圧と燃焼熱を受け止めながら働いてくれているわけですが、きちんと機能させるために最も重要な要件は「歪ませないこと」なんですよね。そのためにはヘッドをブロックに固定する際にお互いの合わせ面の平面が出ていることと、スタッドボルトで全面が均等に締め付けられていることが重要になります。融点が低く線膨張の大きなアルミ製ヘッドの場合はなおさらです。

そしてその締め付け役を担うボルトですが、各ボルトで軸力、すなわちスタッドボルトの長さ方向に締め付ける力が均等かつ十分であることが最も重要になります。「当たり前の事じゃん、だからいつも均等にトルクかけて締めてるし」と思われるかもしれませんが、実はそこに落とし穴があります。「締め付けトルク=軸力」じゃないんですよね。

ボルトの締め付けトルクと軸力の関係はネットで調べて頂ければたくさん出てくるので割愛しますが、平たく言うと締め付けトルクで加えられる力の9割はボルトと部材との間の摩擦に使われ、残りの1割だけが長さ方向の軸力として使われます。そしてボルトと部材との間の摩擦は、

・ボルトの製造バラツキ(表面の粗さ、硬度、精度など)
・潤滑油の有無や種類
・ボルトの使用回数
・ボルトの締め付け速度

によって左右されるのですよ。全体の9割を占める摩擦がこれだけの要因によって左右されるわけですから、ボルトの製造元を変えれば表面粗さ、硬度、精度が全て変わり、厚さの違うナットを使えばナットとボルト間の摩擦自体が変わってしまうわけで、そうなると締結時にトルクレンチに伝わるトルクをいくら均等にしても肝心の軸力が倍もしくは半分になったとしても全く不思議ではありません。

本来は軸力を揃えたいのだけれど、それが難しいので摩擦による誤差はあるけれども締め付けトルクで代用しているのがヘッド用スタッドボルトの現状なんですよね。そのための最低限の前提は、出来るだけバラツキの少ない製品を使って組むことですので、そこにあえて精度や形状の違う製品を持ち込んで混在させるのはかなりヤバイです。それでも十分な力で締めてあればいいじゃんと思われるかもしれませんが、答えはNoです。ヘッドを歪ませないためには可能な限り「均等に」締めるのが第1優先なんですよ。

てなわけで「ヘッドカバーにぶつかるスタッドボルトとナットだけARP製に換える」はNGとさせて頂きました。Mk1のヘッドカバーを付けるために8ポートヘッドを歪ませてトドメを刺すことになったら元も子もありませんからね。

実は一番上の写真がそういう状態だったのでした。エンジン手前側のスタッドボルトおよびナットは8ポートキットに付属のものを使用し、エンジン奥側のスタッドボルトはキット付属のものとARP製を混在させて使用、ナットも混在、と。

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ヘッド締結のための軸力を均一化することを第1優先してパーツを選び直しました。

厚さの増したヘッドに対応するためにスタッドボルトは全て8ポートキット付属のものを使用し、ヘッドカバーに当たってしまうスタッドボルトは頭を削って長さを調整して使用することにしました。
そしてナットは全てARP製としました。座金の部分の形状が六角ではなくて円形なので摩擦を均一化できるのと、ナットの厚さが薄いのでボルトとの間の摩擦も低減できる=軸力をアップできるのが理由です。

オマケとしてヘッドカバーにも当たらなくて済むようになるので、Mk1用ヘッドカバーも無事に使える、とw

20160217_20.jpg

ヘッド手前側のスタッドボルトおよびナットもビシッと揃えました。

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てなわけでようやくエンジン完成です。

ヘッドカバーがきっかけになってボルトの締結について僕自身いろいろ調べて学び直すことができました。本業で追い詰められている中でようやるわというのが我ながら本音だったりしますw が、安心してアクセルを踏むためには事前に考えられることは考えておくというのが重要だと信じてます。

あとは結果が付いてきてくれるのを祈るばかりです。

祈って下さい!←最近こればっかりですが、よろしくお願いいたしますw



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目から鱗♪

「締め付けトルク=軸力」じゃない
メカニックではありませんが、すごく勉強になりました。
まあ自分の場合は雑学レベルですがw

みくたさんの譲れないMk 1への拘り、好きですね♪
ミニに拘らない事が自分の拘りなのでしょうか?w
それでも、やっていい事とやってはいけない事、その最低限の作法の様なものは身につけていきたいですね。

こだわり

多かれ少なかれ皆さんミニへのこだわりはあると思いますが、みくたさんのこだわりは
ヘッドカバーのみならず10インチ、ナロースタイル、ハイドロなどなど?
多くの方々が変更してしまう部分ですが実はミニらしい部分でもありますね。
 
より速く、そしてタイムを上げるためには変更点もひとそれぞれ。
軽量化もそのひとつと思います。
そんなそれぞれのミニが集まって走るSBoM・・・楽しみです!

No title

やっぱりタペットカバーこっちが良いですね(^ ^)。
実物早く見たいなぁ〜(^ ^)。
当日、ぼくは走行会です。
今回でキチンと慣れて、
第2戦から1000Tエントリーの予定です(*^^*)。

No title

ジョブさん、どうもです。

作法ってのが良い響きですねw
作法すら人それぞれで懐深いのがミニの世界かと思いますよw

よく「トルク管理」と言われますが、単にトルクレンチを使えばいいわけじゃなくてその言葉の中にはここまで含まれているんですよね。機械には正しく接しないとイカンですねw

No title

DAIさん、どうもです。

ありがとうございます。
次は軽量化やりたいんですけどね、ボディは大事なのでちょっと二の足を踏んでますw

SBoMが待ち遠しいですw

No title

カメ39番さん、どうもです。

その昔、富士のショートコースに初めてタートルカップを見学に行った時に美しく仕上げられた7ポートミニを拝見したのですが、そのミニもタペットカバーはMk1のものでした。
たぶんそれが原体験としてすり込まれている気がしますw

走行会了解しました。写真たくさん撮っちゃおっかな〜w 楽しみですね!
プロフィール

みくた

Author:みくた
運動神経のなさを経験値でカバーしようと企むAround 40です。
これまでランエボでのサーキット走行にハマり、最近はClassic MINIに惚れ込んでます。Mini1000、1300キャブクーパーとおんぼろミニを乗り継いで、Austin Mini Mk1 に辿り着きました。レストア、トラブル対策とのんびりドライブを楽しんでます。
よろしくお願いします。

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