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ハイドロからラバコンへのコンバージョンその1

もう2ヶ月ほど前のネタになってしまいますが(汗)サスペンションをハイドロからラバコンへコンバージョンした際のお話です。

DSCN1219d.jpg

こちらが交換前のリアのサスペンション・・・P師が交換前の写真を撮ってくれなかったので赤ミニを入手した時の写真です。サビも埃も無くて美しいです。あ、ブレーキドラムもまだオリジナルの鋳鉄製ですね。

ドラムブレーキの向こう側、通常はラバーコーンが収まっている位置に鎮座しているのがハイドラスティック・サスペンションの根幹のパーツであるディスプレッサーです。そしてディスプレッサーの向かって右半分、つまりサスペンションアームからの入力がある側はゴム製になっていて、通常のラバコンと同様にバネの役割を担ってます。向かって左半分はスチール製の円柱でカバーされたゴムの袋になっていて、その内部はフルードで満たされています。

フロントサスペンションにも同じディスプレッサーがあって、前後のディスプレッサー間でフルードが連通するようにパイプで連結されています。つまり、フロントサスが沈めばリアサスが伸び上がって車体を水平に保ちつつ、前後のディスプレッサー間を移動するフルードの粘性抵抗がダンパーの役割を担って振動を減衰する、と。そんな仕組みになっています。

ただし、ミニはエンジンが載っているフロント側の方がリア側よりも重いので、このままだとフロントサスが沈み切ってリアサスが伸び上がり切ったところ・・・車体が前にお辞儀した形で止まってしまいます。それを避けるためにリア側には伸び上がるのを防ぐための引っ張りバネがついています。つまりハイドロサス車ってこのリアのバネ1本だけで前後の姿勢のバランスを取っているわけです。

結果として、ゴムの粘弾性とフルードの移動に伴う粘性抵抗を利用して路面からの入力を吸収してくれるために限られたストロークにも関わらず乗り心地が良いというメリットがある一方、ブレーキング時やアクセルオン時の前後方向のピッチングが大きいというデメリットを原理的に有しているわけです。

ピッチングを防ぐために一般的に有効なのはダンパーの追加ですが、上述のリアのバネがいい場所を占めているのでリア側にはダンパーが付けられないという事情があり、フロントにのみ減衰力を強化したダンパーを追加しておりました。そんな状態のサスペンションを気合いと腕で押さえ込みながらここ数年間レースをやって来たわけですよ。おかげで「丁寧な運転」に関してはかなりシビアな修行が出来たと自負しておりますw

ピッチングを抑制する手段としてハイドロの配管を前後でカットすることも試しましたが、サスペンションストローク自体の不足から振動が発生してしまい、減衰容量の不足と相まって振動が共振して収まらなくなるという問題が発生しました。ハイドロサスとしての正常進化形の対策ならば配管を完全にカットするのではなくオリフィス等を利用してフルードの流動抵抗を増やして制御するという案もあったのですが、今後何年間かを戦うために根本的にサスペンションのキャパを上げたいという思いがあり、サスペンション変更を決断しました。

R0017748.jpg

まずはパーツ集めからスタートしました。

リアのサスペンションアームはハイドロ用とラバコン用とで形状が異なるため、新たにラバコン用を入手しました。高年式の中古品ですw

軽量化のためにアルミ化しませんか?という誘惑もあったのですが、リアのバネ下はそこそこ重い方がスライドコントロールが楽になるため今回は選びませんでした。それになにより純正の方が安いですしw

R0017749.jpg

ラバコンはダンロップ製の中古品を選びました。上の写真の左側です。

理由は、レース用に程々に硬化し初期歪みの終わったものを使いたかったためです。

R0017750.jpg

確かにダンロップ製です。

ちなみに右に並べたラバコンは潰れきったモノですが・・・、ここまで潰れてしまうもんなんですね。まあゴムですからねw

ゴムって元は粘度の高い液体なんですよ。それにカーボン粉を混ぜて成形してから硫黄で加硫し、全ゴム分子のうちの0.5%程度を架橋して繋ぐことで形状を固定しています。成形された時の元の形がエネルギー的に一番安定で、そこから変形させるとエネルギーの低い状態に戻ろうとして元の形に戻ります。これがゴム弾性です。

弾性変形の範囲で使っている分には寿命は長いのですが、大きな負荷が常にかかっているような状態で使うとだんだんと潰れていきます。そこに更に熱が加わったりすると変形が加速されますし、ゴム内部に残った硫黄や空気中の酸素によって再架橋が進み、どんどん固くなって弾性を失ってしまいます。ラジエターの近くにある左前輪のラバコンのヘタリが速いのはこれが原因ですね。

ゴム材料も進歩しているので、最近の耐酸化性の高い合成ゴムを使えば耐久性の高いヘタらないラバコンだって作れるんじゃないかとも思うのですが、コストやサスペンションのような極端な要求物性との兼ね合いから難しいのかもしれません。

R0017777.jpg

話を戻しましてw

こちらはハイローキットです。

本来はヘタったラバコンによって引き起こされる車輪毎の車高のバラツキを補正するためのパーツですが、車高を下げる用途にも使われます。今回はレース用にラバコンを選びますので、当然車高を下げる方向での用途になりますw

Do Tradingさんの製品ですが、ラバーブーツまでついていて良さそうな感じです。しかし極端に車高を下げる用途には向いていないようですので、

R0017851.jpg

フロントのみタートルさんの製品に変更しました。「シャコタン用」と明記された漢らしい製品ですw

R0017779.jpg

こちらはハイローと組み合わせて使うナックルジョイントですが、Do Tradingのスクイさんの助力を得て良いモノを使わせて頂くことになりました。

R0017782.jpg

ちなみにこちらが現在一般的に流通している「良品」の内部です。

このナックルジョイントも質の悪いものが流通した時期もあったそうで、ボール部分がケースの中でカジってしまったり焼き付いて固着してしまうことがあったようです。現在の製品はグリス量を確保する狙いでボールの先端をカットしてグリス溜まりを作ることによって問題を解決しています。が、面直方向から大きな力を受ける部分ですから潤滑さえ確保できるならば本来は丸い方が良いんですよね。

R0017780.jpg

で、こちらが今回ご紹介頂いたナックルジョイント・・・よく分かってませんが当時物のベスト品とのことです。ボールの精度が十分高くケースとのクリアランスにグリースを十分確保できるため、先端の平坦部分が最小限になっています。

R0017806.jpg

ブーツの質や形状も細かく違うようですね。ちなみに僕もよく分かってません!・・・勿体ないから今度スクイさんによく聞いておきます。

ちなみにP師から伝え聞いた話に依れば、スクイさんご自身のコレクションの品7つのうち1台分4つを頂いたそうです。ありがとうございます!・・・って、残り3つじゃ1台分に届かないですよね(汗)スペア用に僕が引き取らせて頂くべきだろうかw

続きます!



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j純正のが安いですしw・・・!?

そのコメントをみくたさんが言っていいのですか?本当にいいのですか!w

自分はリアのバネ下軽量化は路面状況が掴め易いので気に入ってます。
ボールジョイントの事も先日P師に連絡をしたら
『レオニダス号には使えません!』
とバッサリでしたw

あちらを立てればこちらが立たず・・・難しいですね~。。。

No title

ジョブさん、どうもです。

正確に言うならば「純正の中古の方が安いですし」ですw

冗談はさておき、バネ下を軽くすると路面への追従性が向上しますし、特にミニの場合は車体の軽さに比べてリアサスのバネ下が重すぎてやたらとドタバタするのでそれが軽減されて乗り心地は確実に良くなりますね。GT用途ならば文句なしにアリでしょう。

レースの観点でバネ下の軽量化/路面への追従性の向上を考えると、グリップ限界の改善に効くので特に駆動輪には有効ですので、やるならばまずフロントサスペンションから軽量化したいです。

で、リアは?と言うと、これは状況と好みに依るのですが・・・

細かいターンの連続で0.01秒を削りたい、というジムカーナなどの競技ならばリアも軽量化したいです。ただしスイートスポットは極端に狭いので、その領域を使える腕と集中力が必要かと思います。

レースで10周程度の決勝を集中しつつも安定して走り切りたいならばリアは多少重い方が好みです。グリップ限界は低くなりますがその分コントロールの幅は広く、リアに求める特性・・・フロントに追従して程よく流れつつも破綻しない脚?をイメージするとその方が良いかな、と。

僕がもし軽量化するならばアルミは素通りしてチタンを狙いますw

バタバタ感

は、勿論ですが・・・
足裏感覚がリニアに掴み易いのが好きです♪

チタン♪迷わずいっちゃって下さい!w

No title

ジョブさん、どうもです。

足裏感覚・・・あまり伝わりすぎると疲れませんか? 特にGT用途では。しかもリアで?
と悩んだのですが、たぶん雪道の経験からリアの感覚を大切にする習慣があるんだろうなと想像しました。スキーもそんな感じですもんね。

セッティングはホント、千差万別ですねw

疲れませんよ♪

P師の御蔭で今迄以上に足裏感覚を感じられるから今は楽しいですw
スキーの事はここではやめておきます。

訳の分らないコメントに御付き合いいただき有難う御座いました♪

No title

ジョブさん、どうもです。

ブログ記事はできるだけ論理的に客観的に書こうと思っているのですが、どうしても自分の好みを中心に書いてしまうみたいですね、スミマセン。バネ下軽量化の効用について否定的なわけではありませんからね。

サスペンション/タイヤの路面追従性改善によるステアリングインフォーメーション改善およびグリップ限界の改善、総じてネガ無くドライバビリティを改善できます。ので、ジョブさんのインプレは全く正しいです。
でもGT用途・・・前提とするスピードが高くなる程、そして移動距離が長くなる程、インフォーメーションに制限をかけてダルにセッティングするのが慣例ですよ。

そしてレースで使うならリアよりもフロントからかと思いますし、僕自身はリアは若干ダルな方が好みなんです・・・と言いたかったのです。
ご理解下さいねw

有難う御座います♪

丁寧に説明をして頂き有難う御座います。
みくたさんに今回説明をして頂きぼやけてていたものがやっと鮮明に見えてきました(鈍くてスミマセン)。

細かな事はバッイサリ省きますがwみくたさんが言われる様に、兎にも角にもフロントの捉えと考えまずはフロントに重点をおきました。

また、みくたさんが言っている事と視点が少しズレますが、
高速移動の安定性はフロント・アンダーフロア・リヤの対策等々。
ガソリンタンクをセンターにした事も少しはあると思いますが、リヤサスまでもっていったロールケージが意外な味付けになっていると思います。
改めてリヤがフロントに及ぼす影響って大きいんだなと運転する度に感じられたり、エンジンのセッティングの仕方だけでもステアリングのフィーリングに関係するのも感じられたりして新鮮です。
間違いなく面白いけど、深~~~いですね。
この先の世界はみくたさんにお任せしますw

親鳥が消化したものを雛鳥に与える様に、自分も皆さんのアイデアのフィードバックを上手くチョイスして(くすねて?)これからも楽しんでいこうと思います♪
プロフィール

みくた

Author:みくた
運動神経のなさを経験値でカバーしようと企むAround 40です。
これまでランエボでのサーキット走行にハマり、最近はClassic MINIに惚れ込んでます。Mini1000、1300キャブクーパーとおんぼろミニを乗り継いで、Austin Mini Mk1 に辿り着きました。レストア、トラブル対策とのんびりドライブを楽しんでます。
よろしくお願いします。

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