FC2ブログ

エンジン作製その5

DSC_1640m.jpg

完成に近づいてきたエンジンですが、このポート側の顔を見ていると少々思うところがありまして。

DSCN2565m.jpg

こちらはこれまで使ってきた998ccの9FAブロックです。

ブロックの背面に2枚、メンテナンス用のハッチがあります。左側にはブローバイを抜くための煙突が付いている黒い部分です。

いわゆる「チェスト」と呼ばれる構造です。薩摩隼人ではなくタンスの方の意味ですが・・・タンスの引き出しみたいに見えるためそう呼ばれていますw 998用の9FAブロック、そしてクーパーS用の12Fブロックも同じ構造になっておりまして、エンジンを車体に搭載したままでもこのハッチを開けてリフターを交換できるようになってます。

DSCN1915m.jpg

ハッチを開けてチェストの内側を覗いた状態です。プッシュロッドを抜けばリフター交換が出来るようになってます。

ここを開けてリフター交換するような作業が実際にどれだけあったのかは謎ですがw、Mk1のエンジンを代表する構造ではありまして、FIAボディにエンジンを組むにあたってこだわるべきか悩んだ部分だったりします。現実的には、先々週の記事でも書いたとおり1,300ccエンジンチューニングの勉強とノウハウ集めのために高年式の12Hブロックを選んでおりますが、実は理由は他にもありまして。

よく聞く話としてはこのチェスト部分からオイル漏れしやすいという問題があったりします。開口部が大きいのでパッキンがへたってくるとブローバイで内圧が上がった際に簡単に漏れますし、増し締めすると一旦は止まるのですが、更にパッキンがへたってすぐにオイル漏れが再発する、というイタチごっこの経験が僕自身にもあります。

また、このチェスト部分がブロックの背面の開口部となるのでブロック自体の剛性が下がるという問題もあるそうで、レースでの使用を考えるとこちらの方が問題になります。

そんなわけで、今回チューニングベースとして12Hブロックを選んだことは全くリーズナブルというか、ヘビーチューニングを見越した当然の結果ではあるのですが、

DSCN2942m.jpg

細かい部分を知れば知るほどMk1って良いよなあと思ったりするのですよ。

上の写真は9FAのブロックを下から眺めた状態ですが、シリンダーの穴の下端がキレイに肉盛りしてあったり、リフター穴周辺も立体的に成型してたりします。正確に言えば穴の間を穴への応力集中を防ぐイメージで丁寧に肉抜きした状態ですね。そして全体的に鋳肌がキレイでゴツゴツした部分が無いです。

DSC_1581m_20181006202017349.jpg

これが12Hだとこうなっちゃうんですよ。シリンダー穴周辺が真っ平らにぶつ切りにされていたり、

DSC_1566m_20181006202016b1c.jpg

リフター穴部分もただ単に穴が開いているだけですし、カムシャフトとぶつからないように彫刻刀か何かで荒っぽく削られ、とりあえず空間が確保されているだけといった雰囲気がアリアリと感じられます。

確かに見えない部分ではあるんですが、手を抜きすぎなんじゃないかなあ、と。

工業製品って、最初に市場に出る際には設計的に十分な品質にしつつ、製造的にも手を抜かずにしっかり作り込むんですが、モデルチェンジを重ねて代が進むにつれてコストダウンのために部品を省いたり製造を簡単にするために手間を省いたりするんですよね。そしてそれは見えない部分に顕著に表れます。

ミニで言えばエンジン以外でもいろいろありますよね。有名なところではボディの鉄板の厚さが年代によって違うとか・・・Mk1が1.2mm、キャブクーパーまでが1.0mm、それ以降のインジェクションモデルでは0.8mmとか。更に見えないところではスポット溶接の数や間隔も違うようですが。まさに「実用上問題ない範囲での簡略化」です。

工業製品の世界の習いではあるのですが、やっぱ最初の手を抜いていない状態って魅力的なんですよね。
上でも書いた通りレースで使うなら迷わず12Hですけど、のんびり楽しむならば細かいところまで気が行き届いていた時代の構造にこだわるのも趣味としてはアリかもしれないなあと思う今日この頃です。

DSC_1638m.jpg

エンジン作製編に戻ります。

5ポートに戻るためエキマニも変更します。

DSC_1639m.jpg

ポートに合わせて内径を拡大しつつ、ポートに対して段差が生じないように形状を修正しています。手間のかかる大変な作業です。

P1460374m.jpg

5ポート化に際して、キャブはスプリットウェバーを選択しました。

これまでの経験から選びましたが、メリットとしては低回転と高回転を独立にセッティングできるのと、スプリット化することでミニの吸気ポートに対するエアフローも最適化できるためです(こちらこちら)。

スプリットウェバーと言えば通常はボディのバルクヘッド部分をカットしてインダクションボックスを取り付けて使用するのが一般的ですが、せっかく新しくなったボディを切りたくなかったので、今回はショートタイプのインマニと組み合わせて使いました。
998cc→1,300ccでエンジンの背が高くなった分キャブが上方向に移動したのでバルクヘッドに対する上下方向のクリアランスはOK、インマニをショート化することで短いファンネルと組み合わせればバルクヘッドに対する前後方向のクリアランスもOKで、ボディを切らなくてもギリギリ収まるという綱渡りのような搭載でした。

が、それでも問題はありまして汗

なんと短くなったインマニが太くなったエキマニのセンターパイプに干渉しました。バルクヘッドに対する上下&前後方向のクリアランスはクリアしましたが他に伏兵がいたという・・・何という孔明の罠w

真夜中に10回くらい付けたり外したりして調整したそうです。ええ、エキマニの干渉部分をぶっ叩いて凹ますという荒技だったようですが・・・それってエキマニ太くした意味なくなったんじゃね?と思わなくもないですよねw この仕様で十分なパワーが出せるようなら、いずれは干渉しない形状でチタンで作り直したいなあ、などと妄想しておりますw

P1460372m.jpg

エンジンが搭載されるとゴールが見えた気がしますね。そこからが長かったですがw

P1460373m_20181007170434b05.jpg

そういえばロッカーアームもいつの間にかサラっと付いちゃったりしてますが、オフセット加工されたヘッドに合わせてアーム位置の再調整、おそらく現物合わせでカラーの削り出し?という作業が必要だったはずです。

作業が大変すぎたんでしょう、写真が一枚もありませんw

P1460464m.jpg

点火タイミングだけ合わせて、ひとまずガソリン入れて火入れ式です。携行缶からだとガソリン入れ辛そうでした。

とりあえず問題も無く一発始動しました。ノイズや排気音も大人しめでやや拍子抜けしました。

夜間の撮影で絵的に幻想的に見えますが、9/9のトラックディ前日の深夜に何とか間に合わないかドタバタやってた図ですよw 実はこの段階でまだドライブシャフトが組んでなかったりアクセルワイヤーも通ってなかったりしてまして、この写真から数時間後に10/14まで先送りする判断をしたんですよね。無理して作業しても良いことありませんので。

P1460523m.jpg

翌朝の図です。インマニがショートタイプになったため、アクセルワイヤーの取り回しも見直しました。トラックディを欠席することが決まったので落ち着いて作業して頂きましたw

今回はこんな感じにステーを追加して収まりましたが、アクセルワークが若干重く感じるので本番までに見直す予定です。

エンジン作製編はこれにて終了。10/14のSBoM第3戦までの間に車体編を投稿予定です。

にほんブログ村 車ブログ MINI(ミニ)へ
にほんブログ村

日本ブログ村のMiniカテゴリーでランキング参加してますので、上のバナーをクリックお願いいたします。Mini関係のBlogが満載ですのでリンクとしてもご利用下さい。

にほんブログ村 車ブログ 旧車・絶版車へ
にほんブログ村

こちらは旧車カテゴリーです。こちらもコアな記事が満載ですのでご覧下さい。

テーマ : 英国車ミニへの想い
ジャンル : 車・バイク

コメントの投稿

非公開コメント

チェスト

『一の太刀を疑わず』の一撃必殺の示現流ですね♪
何の気なしのコメントだとは思いますが、みくたさんに通ずるものがある様なw

No title

ジョブさんどうもです。

実生活でも疑いなく決められると格好いいんですけどねw

現実には、これで上手く行くはず→上手く行くといいなあ→上手く行ってほしい→お願いだから上手く行って下さい、って感じの毎日です。

現実の厳しさに比べればミニのエンジンはシンプルで、予測できる範囲に入ってくれているので一撃必殺狙えます。ただし1300ccチューニングは初めてなので過信は禁物って感じですw
プロフィール

みくた

Author:みくた
運動神経のなさを経験値でカバーしようと企むAround 40です。
これまでランエボでのサーキット走行にハマり、最近はClassic MINIに惚れ込んでます。Mini1000、1300キャブクーパーとおんぼろミニを乗り継いで、Austin Mini Mk1 に辿り着きました。レストア、トラブル対策とのんびりドライブを楽しんでます。
よろしくお願いします。

にほんブログ村 車ブログ MINI(ミニ)へ
にほんブログ村

日本ブログ村のMiniカテゴリーでランキング参加してますので、上のバナーをクリックお願いいたします。
Mini関係のBlogが満載ですのでリンクとしてもご利用下さい。

にほんブログ村 車ブログ 旧車・絶版車へ
にほんブログ村

こちらは旧車カテゴリーです。

最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

最新コメント
最新トラックバック
FC2カウンター
ブログ村 新着記事
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR