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リアサブフレーム修正

SBoM最終戦に向けて緑ミニのセッティングを詰めております。

本来の意味でのセッティングとして必要なのはキャブセッティングくらいなんですが、ナンバーの付いていない車両なのでそれは当日サーキットを走らないと出来ません。なのでそれ以前の細々とした不具合を修正しています。

20181117_001.jpeg

右リアタイヤを後ろから見てます。第3戦の時にヨシヨシさんが気づいて教えてくれたんですが・・・、

20181117_002.jpeg

リアタイヤの出方が左右で違うw

右リアに比べて左リアの方が10mmほど外に出ているように見えます。

ホイールアライメントはきっちり取っているので問題ないハズです。ですので最初に疑ったというか恐れたのはボディの歪みでした。この個体はフロア取り替えてますし、全溶接で多点ロールケージ組んでますからその熱でフロアが歪んだのではないか、と。
ただ、その場合はどちらかというとボディの捻れに現れるんですよね。こんな風にタイヤが綺麗に左にズレるってことはないはずです。

20181117_003.jpeg

原因は割とすぐに見つかりました。

サブフレームをボディに取り付けるためのブッシュにスイフチューン製の強化ブッシュが使われているのですが、

20181117_004.jpeg

左右で厚さが違うw

ブッシュが左側だけ薄いので、サブフレームがその分左側にオフセットしているのが原因でした。

このブッシュは個体毎に厚さを調整する必要があるパーツで、本来は旋盤を使って左右均等に削って現物合わせしながら組むパーツらしいのですが、左側だけ削って合わせたようです。確かに付けたり外したりの手間は半分ですみますけどねw

45864702m.jpg

サブフレーム後ろ側も、

46118109m.jpg

左側に寄せてあります。

ここなんかは本来ブッシュの左右にあるはずのメタルワッシャーも1カ所に集めてますね。おそらく左側だけ削ってフロント側を付けた結果、リア側は内側にメタルワッシャーを入れるだけの隙間すら無くなってしまって、慌ててメタルワッシャーを外して対応したんだと思いますが・・・まあ省いて捨てられるよりはマシですかw

たぶん、ビル・ソリスさんご自身はボディをきっちり仕上げてくれて、あとの組み付けは工場のお弟子さんに投げたんじゃないでしょうか。

ビルさん「今日も良い仕事したぜ。おい、あとはやっておけ、手は抜くなよ!」
お弟子さん「ガッテンです!・・・こんなとこしっかりやっても誰も気づかないし、まあ適切に適当にw」

てな会話があったんでしょうか。
てやんでえヨシヨシさんの眼力なめんなよ!・・・オイラは気づかなかったけどな!←


冗談はともかくとして。

日本人の感覚だと職人さんの仕事といえば客の期待以上の「スゲー」と言われるような仕上がりが当然と期待してしまいますので、こういう現実にぶつかるとついついガッカリしてしまうのですがw 英国の職人さんがイケてないというわけではなく、単に約束以上のことはしないという姿勢なのではないかと思います。

技術も腕もあるのできちんとやろうと思えばできる。でも手がけているのは「作品」ではなくあくまで「商品」であって、客に言われなかったこと、当初予定と見積もりに入っていないこと、もっと言うなら契約に無いことはしない、というのが元々の基本姿勢で、

三和トレーディングさんが間に入って、日本で受け入れられるにはこのクオリティじゃないとダメ!と、あちこち細かく要望を出して日本向けに丁寧に造ってくれたのがこの緑ミニで、

あ、でもサブフレームの取り付け方法までは指示しなかったよね←今ココ

という状況なんでしょうねw つまり英国人も悪気があるわけでもなく過剰に手を抜いたわけでもなく、淡々と指示通り契約通りに造ってくれただけ、と。


英国人職人の話のように書きましたが、日本の製造現場でもこういうすれ違いってあるんですよ。実は僕の仕事でも日常的にあります。

物作りには大きく分けて設計と製造という二つの部署が絡んでくるのですが、設計部署は目標の性能や耐久性を実現するための構造や諸元を検討して図面という形に仕上げます。そしてその図面を受け取った製造部署はその図面通りのものが出来るよう、人を手配し治具やロボットを造り製造ラインを構築して量産につなげていきます。

で、製造部署は図面に書いてあることは守らなければならないわけですが、逆に図面に書いてないことは何をやっても良いんですよね。これは当たり前で、図面指示されてない範囲でいかに上手く早く安く物を造るかは製造部署の腕の見せ所であり、彼らの存在意義でもあるわけです。製造部門からすれば、限られたコスト、限られた人員をやりくりしてその中で効率的に物作りしなければならないわけですから、図面に書いてない範囲ならば省けるものは省くのが当然ですよね。「改善」とか「QC」もここからスタートしてます。

というわけで、きちんとした物が欲しければ、あらかじめ全て見通してきちんと指示しなければならない、というのは物作りの世界では世界共通なんですよ。つまり英国人職人に限った話ではない、というオチでしたw
でも英国人にきちんと指示するためには距離や言葉や文化の壁を超える必要があって、しかも信頼関係まで築かないと難しいですからね。その手間暇は個人で出来る範囲を超えてますから、間に入って頂いている三和トレーディングさんの努力を思うと頭が下がります。

というわけで、期待と違うところがあって当然、腹を立てるより自分らでちゃちゃっと直した方が早いさ!、と気持ちを切り替えるのがこの趣味を続けるにあたっては大切かと思います。

まあ僕の場合はブッシュの入れ替えくらいで済みそうですが、世の中には更に深遠な状況があってw
ミニ仲間の鈴木誠男さんなんて英国で作製したスプリントを輸入した後に日本の板金屋さんに持ち込んで手を入れ直してますからね。そこまで行くと最初に出す指示の手間と後から国内で直す手間とのバランスを取りたくなってきますが、なんにせよ大変な世界なのは間違いないです。趣味の冥府魔道ですw


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みくた

Author:みくた
運動神経のなさを経験値でカバーしようと企むAround 40です。
これまでランエボでのサーキット走行にハマり、最近はClassic MINIに惚れ込んでます。Mini1000、1300キャブクーパーとおんぼろミニを乗り継いで、Austin Mini Mk1 に辿り着きました。レストア、トラブル対策とのんびりドライブを楽しんでます。
よろしくお願いします。

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